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モームス最大トーナメント

1 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 13:50 ID:p71S2xaV
小説です.

サウンドノベル「娘切草」
http://choco.2ch.net/ainotane/kako/1001/10014/1001482983.html
サウンドノベル2「むすめたちの夜」
http://choco.2ch.net/ainotane/kako/1001/10019/1001989242.html
サウンドノベル3「街れす」
http://choco.2ch.net/ainotane/kako/1003/10031/1003141616.html
サウンドノベル4「ハッピーエンド」旅立ちの章
http://choco.2ch.net/ainotane/kako/1004/10047/1004755292.html
サウンドノベル4「ハッピーエンド」勇者の章
http://choco.2ch.net/ainotane/kako/1006/10065/1006563009.html
サウンドノベル4「ハッピーエンド」帝国の章
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1008305977/
サウンドノベル4「ハッピーエンド」真実の章
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1010586100/
加護豆さんのRPG「ハッピーエンド」
http://isweb40.infoseek.co.jp/computer/kagomame/

2 : :02/03/18 13:51 ID:ugDsZEeT
( ´D`)ノ<2

3 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 13:51 ID:p71S2xaV
【第1章 集いし娘達】

 日本格闘技界において最大勢力を誇るTAP会館。その門下生は実に数万にも及びその
頂点に立つのが館長の飯田圭織である。その日圭織は日課となっているトレーニングを終
え、自室のデスクに腰を下ろし、夕刊を広げてお茶をすすっていた。師範代の石川が館長
室の扉をノックするまでは普段と何も変わらない日常であった。
「館長、いいですか。」
「どうした?」
端正な顔立ちの美しい娘が入室してきた。その細身の体からはおよそ格闘技と関わってい
る者とは想像し難い。ところが数万に及ぶTAP全門下生でも、この細身の娘と対等に渡
り合える者は館長の飯田を含めて数える程しかいないというのが現状である。彼女は俗に
呼ばれる天才というやつであった。TAPに入門してきて数年であっという間に、師範代に
まで上り詰めてきたのだ。今ではTAPの最終兵器という異名まで持つようになっている。
しかし普段はいつもニコニコと笑顔な人なつっこいタイプで、多くの門下生が彼女を慕っ
ている。それが今日はその笑顔が消えていた。
「小さなお客さんが来てまして、館長に会いたいと。」
「誰だ?今日はそんな約束ないはずだぞ。」
「アポイントはなしです。まあ要するに道場破りって奴です。」
「そんなもん俺が出るまでもねえだろ。適当に相手して追い返せ。」
「そのつもりだったのですが・・」

4 :名無し募集中。。。 :02/03/18 13:51 ID:J8B23fOF
勝者、辻希美!

5 :辻っ子のお豆さん :02/03/18 13:52 ID:p71S2xaV
「お!」
 石川に連れられて下の道場に足を踏み入れると、飯田はその予想外の光景に少し驚きの
声をあげてしまった。この日、本部の道場であるこの場所には百人を越す門下生がいたの
だが、そのほとんどが床にうずくまっていたのだ。そして中央に小さなお客様が悠々と立
ち尽くしている。圭織は思わず笑みをこぼしてしまった。
「なるほど、お前が言った通り、確かにおもしろそうな奴だ。」
「笑い事じゃないですよ、館長。」
「すまんすまん、そういえば矢口はどうした?」
「矢口さんなら加護を連れて、予選大会の下見に出てます。」
「加護も一緒か、あの問題児がこの場にいなかったのは幸いかもしれんな。」
よく見るとこの道場破りも加護と雰囲気が似ているなと圭織は思い、また笑みがこぼれた。
だがあの小さな体で百人もの猛者を倒してのけたのだ、ただ者ではないだろう。等と考え
込んでいると、待ちきれなくなったのか小さな道場破りの方から動き出した。
「あんたらかんちょうさんれすね?」
「お、おお。」
まさかこんな舌足らずな声が来るとは思っていなかったので、圭織は吹き出しそうになり
変な返しをしてしまった。
「ののとたたかってくらはい。」
小さな道場破りは飯田に向かって構えをとった。

6 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 13:53 ID:p71S2xaV
「私がやりましょうか?」
「いや、いい。せっかくだから直々に相手してあげよう。」
石川の申し出を断り、圭織は前に歩み寄った。
「始める前に名前を聞いておこうか。」
「辻希美。」
「フム、どうしてここへ?」
「つよいやつにあいたいかられす、あんたをたおしたら次はプッチれす。」
−プッチ−その言葉に圭織の眉がピクリと反応した。総合格闘団体プッチはTAP会館と
並び、格闘技界の二大勢力と言われている。現役チャンプ後藤真希や柔術の達人保田圭等
の猛者を何人も輩出している。歴史はTAP会館の方が長いのだが、ここ数年はプッチの
勢いにやや押され気味とマスコミにも評されている。それだけに圭織が、プッチという言
葉に少なからず反応するのも致し方ないことではあった。
「辻といったか、残念だが君がプッチを訪ねることはなさそうだ。」
「ろうしてれすか?」
「ここで私に倒されるからだ。」
言葉が言い終るやいなや飯田は瞬時に間合いを詰めた。辻が油断していた訳ではない、会
話をしている間中もいつでも飛び出せる様に全身に気を巡らせていた。ただ、飯田の詰め
方があまりにも洗練されていたのだ。予備動作もほとんどない突然のことに辻は虚を突か
れてしまったのだ。気が付いた時には飯田の拳が目の前にあった。

7 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 13:54 ID:p71S2xaV
 辻も並の者ではない。その正拳突きに咄嗟に反応し両手で飯田の右腕を掴み込み、見事
止めてみせた。と思ったのも束の間、圭織の左足から放たれた前蹴りが辻の水月を打ち抜
き、勝負は一瞬で着いた。気を失った辻はそのまま床に崩れ落ちた。
「さすが館長、お見事です。」
壁に寄りかかって二人の攻防を眺めていた石川が拍手で、圭織を向かえる。ところが圭織
の様子がおかしい事に気付いた。
「どうしました?」
「こいつ、やっぱただ者じゃなかったわ。」
見ると、辻に捕まれた圭織の右手首が赤い痣となっている。
「手ぇもってかれるかと思った。チビのくせに半端なパワーじゃないよ。」
「へぇ〜」
「このまま成長したら、とんでもない化け物になるかもしれんな。」
「で、どうしましょうか?」
飯田と石川は気絶して倒れ込む辻を見下ろして考え込む。百人もの門下生が傷を負わされ
たのだ、ただで帰す訳にもいかない。どうしたものかと思い悩んでいると、正面玄関が開
く音が聞こえた。そこに一人の娘がたっていた。
「あなた誰ですか?」
「その子を引き取りに来たの。」

8 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 13:56 ID:p71S2xaV
「はい、そうですかと渡すと思います?」
「やめろ石川!」
「どうしてですか館長。」
「そいつはなっちだ。」
なっち、その名前は石川にも聞き覚えがあった。いや、この世界に身を置く物にとってそ
の名を知らない物はいないであろう。無敵の王者として日本格闘技界に君臨し続けていた
伝説の人物だ。だが3年前のあの闘い以来、消息が不明となっていた。
「生きていたのか、なっち。」
「久しぶりね圭織。腕は衰えてないみたいで安心したべ。」
「このチビはお前の弟子か?」
「う〜ん、まあそんなとこかな。ほら、のの立て、行くぞ。あー駄目だ。完全に伸びてる。」
「今更何をする気だ。」
「今度の大会、なっちも出場するべ。」
「狙いは後藤か?」
「当然だべさ。」
そう言うと、なっちは辻を背負ってTAP会館を後にした。その後ろ姿を不満気に見詰め
る石川とは対照的に、飯田は喜びを隠しきれずにいた。
「おもしろくなってきた。」

9 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 13:58 ID:p71S2xaV
バケツ一杯の水を顔にかけられ、希美は目を覚ました。
「はれ、ここはろこれすか?」
意識が戻るとそこが川原の土手であることがわかった。そして飯田に完敗した記憶も蘇っ
てくる。目の前には、バケツを抱え笑みを浮かべる安倍の姿があった。
「どうだった?実際に武神と対戦した感想は?」
「…つよかったのれす。」
「だろうね、今のあんたじゃまだちょっと相手になんないっしょ。」
「安倍さんならかてるんれすか?」
「どうだろう?やってみないとわかんないな。」
「のの、もっとつよくなりたいのれす。」
「あんた素質はあるからさ、後は経験だよ。強い奴とたくさん戦うこと。」
「そうれすね、いっぱいたたかっていっぱいつよくなるのれす!」
目標が決まり辻は跳ね起きた。しかし飯田にやられたお腹がズキンと痛み、すぐにまた崩
れ落ちた。それを見た安倍が声を出して笑う。
「アハハハ、今日はもう無理だよ。おとなしく安静にしてな。」
「へい。」
辻はお腹を抱えながら、いずれ飯田にリベンジしようと心に誓った。

10 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:00 ID:p71S2xaV
 手を床に付け体を激しく回転させながら足技を繰り出す。カポエラと呼ばれる異国の武
術を用いて、試合を勝ち進む娘がいた。
「あいつがカポエラのアヤカ、この大会こいつが本命かな。」
「ほんまか矢口さん、要チャックやで!」
今夏開催されるモームス最大トーナメント出場を賭けた予選大会が、全国各地で繰り広げ
られている。ここ北陸会場でも先ほどから娘達の熱い闘いが行われている。すでに予選を
勝ち上がり本選出場を決めている矢口は、加護を連れてわざわざ北陸の地まで下見にやっ
て来たのだ。
「次が決勝やね、矢口さんの言うてたアヤカってのも勝ってるみたいやで。」
「そうね、今の内にじっくり見てカポエラ対策しといた方がいいわ。」
ところが、その決勝戦は予想外の結末を迎えることになる。
「勝負あり!勝者高橋!!」
本選へのキップを手にしたのは無名の新人、高橋愛という少女だったのだ。アヤカのカポ
エラを嘲笑うかのごとく上空からの華麗な舞、その空中殺法にアヤカは全く成すすべなく
倒されたのだ。
「高橋愛か、こりゃ来て正解だったかもね。相当できるよあいつ。」
「いーなーいーなー、うちも大会に出たいねん。」
「あんたの実力じゃまだ無理よ。ほら帰るぞ。」
会場を去る矢口の背中に向けて、加護はほっぺたを膨らませた。

11 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:04 ID:p71S2xaV
 格闘技雑誌編集の職に就く平家みちよは、この夏開催されるモームス最大トーナメント
の担当という大きな仕事を手にする事ができた。今日は昨年の覇者後藤真希を取材する為
に、総合格闘団体プッチのビルにやってきた。今もっとも勢いに乗っているだけあって、
中は活気に満ち溢れていた。ベンチで一休みしている後藤を見つけた平家は早速取材を始
めることにした。
「おはようございます後藤さん、少しお話聞かせてまらっていいですか?」
「んあ〜いいよ。」
「昨年は圧倒的な強さで優勝しましたが、やはり今年の目標は連覇ですか?」
「う〜ん、まあ適当にがんばるよ。」
「今年はあのTAP会館の選手も出場するそうですが、それについてはどう思います?」
「そうなんだ、今初めて知ったよ。フーン。」
「・・やる気あります?」
「あるよ〜。」
「ごっちーん!スパーの相手してー!」
「あ、よっすぃー、うん。それじゃあお話はこれで。」
「は、はい。」
スパーリングパートナーの吉澤ひとみに呼ばれて、後藤真希はようやく重い腰を上げた。
所在をなくした平家は、二人の練習風景をカメラに収めることにした。

12 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:05 ID:p71S2xaV
 後藤真希と吉澤ひとみ、この組み合わせはそのまま昨年のトーナメント決勝の組み合わ
せである。優勝後藤、準優勝吉澤。この様に現在の格闘技界はプッチの独壇場であったの
だ。その現状にしびれを切らしたTAP会館がいよいよ今年の大会から参戦するとの事で、
例年以上の盛り上がりを見せている。
「武神飯田圭織、グラップラー真里、それと最終兵器石川梨華。」
TAPにもプッチに負けず劣らぬ程の猛者が揃っている。いかに王者後藤真希と言えど、今
年はそう簡単に勝ち進めるとは思えない。こんなやる気の無さで大丈夫なのだろうかと平
家は密かに案じていた。現にスパーの内容を見ていても、吉澤に押されっぱなしで後藤は
ほとんど手が出ていない。3年前の、あの伝説の名勝負を繰り広げた頃の後藤真希の面影
はもうどこにも見られない。
「今年は駄目かもしれない・・」
肩を落としてため息を吐く。平家はあの名勝負に心打たれてこの世界へと足を踏み入れた
のだ。今や伝説として語り継がれる安倍なつみ対後藤真希の闘い。その勝負に敗北して以
来安倍なつみは消息を絶っている。
「安倍なつみ、一体どこへいったんだろう?」
三日後、その安倍が格闘技界に電撃復活を果たす事になろうとは、このときの平家には想
像すらできなかった。

13 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:09 ID:p71S2xaV
 吉澤ひとみとのスパーを終えた真希はそのままシャワー室へと姿を消した。その瞳は虚
ろなまま。事実、真希は勝負に対するやる気を失いかけていた。3年前、安倍を破ってチ
ャンプとなって以来、一度の敗北もないまま現在に至る。傍目には輝かしい栄光の道に見
えたが真希の心は満たされぬままであった。
(もう一度、あのときの様な闘いがしたい・・)
 安倍なつみとの死闘は真希にとっても忘れられぬものであった。延長に次ぐ延長、互い
に全ての力を出し合い、まさに紙一重の勝利だった。闘いに楽しさを感じれたのもあの時
が最初で最後、その後はもう誰とやってもあの時の興奮は戻らずにいる。降り注ぐシャワ
ーの感触を全身に浴びながら真希はため息をついた。
 そんな後藤の姿を複雑な表情で睨み付ける娘がいた。たった今拳を交えたばかりの吉澤
ひとみである。
(ため息、いい御身分ね)
“プッチのNo2”“昨年の準優勝者”“後藤真希のスパーリングパートナー”吉澤ひとみ
を形容する言葉には全て、後藤真希の引き立て役的意味合いが含まれていた。二人は普段
からも仲良く一番の親友同士である、それだけに余計に辛いのだ。
(私じゃ満足できないってこと?)
(だったら思い知らせてあげるよ、今度の大会でね)
マスコミや世間の目ではない、誰よりも後藤真希に認めてもらう為に。それには彼女を越
えるしかないのだ。吉澤もまた苦悩する一人だった。

14 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:10 ID:p71S2xaV
「どうゆうことやー!!」
TAP会館道場で大騒ぎするのは、先ほど帰ってきたばかりの加護亜依であった。
「だから、道場破りが来たって言ってるでしょ。」
説明する石川も、そのあまりのしつこさにいい加減ウンザリしかけている。加護程騒ぎ立
てはしないが、師範の矢口も明らかに不満気な面持ちである。
「こんだけやられて、なんであっさり帰したって聞いとんねん!」
「館長がそうしろってゆうんだから、しょうがないでしょー!」
「しょーがなくないわボケ!」
「何よその口の利き方、私の方が年上なのよ!」
「関係あらへん!やるか、おお!」
「フン、あんたなんかに相手にならないわ!」
取っ組み合いになるかならないかの所で、二人の頭上に飯田の鉄拳が振り下ろされその場
はとりあえず収まった。
「くだらんことでケンカすんな。」
「いったーい!」
「お前のせいで殴られたやないか!」
やっぱり問題児だ、と飯田は心の中でため息をついた。まあ加護の性格からいってこうな
ることは予想できてはいたが。やはり口で言い聞かせても納得はしないだろう。

15 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:21 ID:p71S2xaV
「もうええ!うちくらいのタッパで辻希美っちゅう奴やったな。」
「ちょっとあんた、どこ行く気よ!」
「探し出してボコボコにしたる!」
「はぁ!?」
そう言うと加護は一目散に道場を飛び出していった。すると、今まで黙っていた矢口も後
に続く様に歩き出す。
「ちょ、ちょっとぉ、矢口さんまで行く気ですか?」
「私は道場破りなんかどうでもいいよ、やられた奴が弱いから悪いんだし。」
「それじゃあ何で・・」
「なっちか?」
どうやら飯田は矢口の思惑を察していた様だ。矢口の口端が軽く上がる。
「そんな名前を聞かされちゃ、じっとしてなんかいられないんだよねぇ。」
なっちという言葉が、矢口真里の小さな体に秘められた闘争本能に火を点けたのだ。溢れ
出んばかりの闘気を剥き出しにして、矢口も道場を後にした。
「まずったな、注意すべきだったのは加護よりあいつの方だった。」
「大会前なのにやる気なんですかねぇ?」
「あいつが本気になったら、俺でも止められるかどうか・・」
加護と矢口が消えた出口を見つめ、飯田は再びため息をこぼした。

16 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:22 ID:p71S2xaV
 ホテルの一室で目を覚ました辻希美は、目をこすりながら部屋に備え付けられた時計を
見やった。時計の針はもう正午を指している。どうやら丸半日も寝てしまったみたいだ。
慌てて起き上がると腹部がズキンと痛んだ。
「うぐぅ〜いたい。」
昨日飯田にやられた場所だ、どうやら当分苦しめられそうである。しばらくの間ベットで
悶えていたが、ご飯を食べたら治るだろうと考えすぐに気をとりなおした。常人が飯田の
蹴りをまともに受ければ1週間は飯もまともに食えないと言われているが、彼女にはそん
なことお構いなしであった。事実、この後ペロリと3人分のランチを平らげデザートまで
食していた。
「きょうはろこへいこうかな?」
満腹になる頃には、もう怪我の事はすっかり頭の中から消え失せていた。
「お前が辻希美か?」
そう声を掛けられたのは、ホテルをチェックアウトして、すぐ傍の川原沿いを歩いていた
時だった。辻が振り返ると、同じくらいの年頃の娘がすごい形相でこちらを睨んでいる。
「へい、そうれす。」
見覚えのない顔だったので不信に思ったが、満腹で機嫌の良かった辻は素直に返事をした。
すると突然の回し蹴りが辻を襲った。間一髪でなんとかそれを避ける。
「いきなりなにするんれすか!」
「TAPの加護亜依や、昨日はうちのもんが世話になったらしいの。」

17 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:23 ID:p71S2xaV
 TAPと聞いて辻も事を理解した。
「やるきれふか?」
「なんや、変なしゃべり方しよって!」
「そっちも変なのれす。」
「うっさい!ぶっ殺したる!覚悟せい!」
加護の息も切らせぬ様な連続攻撃が辻を襲う。切れ味の良い無駄の少ない動き、幼いなが
らに相当鍛練を重ねた物である。どうやらスピードでは負けている様で、辻は何発かの突
きをもらっていた。だが体重が軽い分、一撃の重みが少ない。パワーなら自分に利が有る
とこのわずかな攻防で辻は悟り、行動に移した。大鎌の様な辻の右フックが空を切る。加
護は紙一重でそれをかわした。はずだったのだが、そのまま後ろに尻餅を付く事になる。
(なんや、こいつ!?)
風圧だけで吹き飛ばされたのだ,それ程圧倒的な破壊力をもった一撃だった。チャンスと
睨んだ辻は一気に勝負を付けるべく、腰を下ろす加護に向けてもう一度大きく振りかぶる。
しかしすぐにそれが短絡だったことに気付かされる。加護は同じミスを2度犯すような娘
ではない、腕を振り下ろした辻は一瞬何が起きたのかわからず戸惑った。放った腕に加護
が絡み付いていたのだ、そしてそのままの勢いで反対に投げ飛ばされる。
「うわぁーーー!!」
投げが終ってもまだ加護の攻撃は止まらない、腕を掴まれたまま寝業で攻めてくる。これ
は柔術?それとも柔道?経験した事のない攻撃の応酬に辻は翻弄されていた。

18 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:24 ID:p71S2xaV
 器用貧乏な加護はありとあらゆる格闘技をかじっていた。空手、ボクシング、柔道、柔
術、アマレス、中国拳法、etc。その結果、従来には見られない様な格闘スタイルを持つ様
になったのだ。
(技れはまける・・)
いつまで経っても振りほどく事のできないので、辻は考えを改めた。相手のスタイルに合
わせていては分が悪い、こっちのペースに持ち込むのだと。
「いやああああああ!!!」
「ほえ〜!」
辻は腕の力だけで強引に加護を持ち上げた。身の危険を察した加護は咄嗟に腕を離して難
を逃れる。
「信じられへん、化け物かお前は!?」
「そっちこそ変な動きらっかりれ、ずるいのれす!」
「アホ!ケンカにずるいも糞もあるか!」
 二言三言言葉を交わすと二人はまた組み合う。辻も加護も今までこの様な相手と出遭う
事はなかった。格闘スタイルは全く違うが実力はほぼ互角、そして両者とも一歩も引こう
としない強い信念の持ち主である。一つ拳を交わらせるごとに、二人は徐々に互いに引か
れていった。もう最初の理由など二人ともすっかり忘れてしまっている。ただ純粋にこい
つに勝ちたい、そんな単純な気持ちだけが二人を動かしていた。

19 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:32 ID:p71S2xaV
 その同時刻、少し離れた場所ではもう一つの闘いが始まろうとしていた。人気のない廃
工場跡になっちと、その女はいた。
「グラップラー真里。」
「光栄ね、あなたにその名を知っててもらえたなんて。」
「知らないわけねえべさ。」
なっちが表の世界で王者として君臨していた頃、もう一つの世界、裏の舞台、地下闘技場
で王者として君臨していたのがこの矢口真里である。
「あんたとは一度ケリをつけたいと思っていたのよ。」
「あら、そう。」
「それなのに、お前が後藤なんかに負けちまうから!」
「…」
「でも戻って来てくれて嬉しいよ、さてどっちが本物の王者かはっきりさせよう。」
「…」
「構えな。」
しかし安倍は、複雑な表情を浮かべたまま棒立ちで、一向に構えをとろうとしない。痺れ
を切らした様に矢口が声を張り上げて叫ぶ。
「どうゆうつもり!?」
「悪いけど、今は闘えない。」

20 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:33 ID:p71S2xaV
「後藤真希か!」
「うん、それもある。」
「…」
「なっちも次の大会に出る。どうせならそこで闘ろう。」
「!」
「なっちは後藤真希とも闘いたいけど、矢口真里とも闘いたいべさ。」
「…」
「…」
「・・へっ。」
構えを解いた矢口は、後ろに振りかえり歩き始めた。
「俺と当たるまで負けるんじゃねえぞ。」
「そっちこそ。」
 二日後、モームス最大トーナメント予選、中部会場に安倍なつみの姿があった。出場選
手の中になっちの名前をみつけた選手や報道関係者は一時パニックに陥る程であった。無
理もない、3年前に消息を絶った伝説のチャンピオンが予告も無しに戻って来たのだから。
「ウーン、この空気、ひさしぶりだべ。」
会場中の注目がなっちの復活劇に注がれていた。

21 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:34 ID:p71S2xaV
 やっつけ仕事のつもりでこの場を訪れていた平家みちよは、喜びと興奮でカメラをうま
く持てない程であった。
(本当に、本当に、あのなっちなの・・)
「ちょっとあんた、何泣いてるの!」
「え、え?」
先輩記者の稲葉貴子に言われ、平家は始めて自分が涙を流している事に気付いた。
(恥ずかしい、涙もろいなあ・・歳かも)
「ほら、あそこ見てみ。」
涙を拭いて稲葉の指差す方向を、慌てて見る。
「あ、あれって!」
「そう、TAP会館の飯田、矢口、石川だよ。」
「わざわざこんな所にまで来ているという事は・・」
「ああ、なっちの復活を知っていたみたいだな。」
その通り、飯田達は安倍なつみを見る為に来たのだ。
「さてと、見せてもらうぞ。3年越しのお前の実力を。」
「くぅ〜ヤグチ見てるだけなんて我慢できないかも。」
「まあまあ堪えて矢口さん、それより加護の奴どうしたんでしょうね?」
加護亜依は辻を追って道場を飛び出してから一向に戻ってこない。普段ケンカばかりして
いる石川も流石に心配になっていた。

22 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:35 ID:p71S2xaV
「ほっとけ、あいつのことだからそのうちひょっこり戻ってくるだろ。」
飯田にそう言われては、石川に返す言葉はない。
ところが、姿が見えないのは加護だけではなかった。
「…ったく、ののの奴どうしたんだろ。絶対応援に来るってゆってたくせにさ。」
辻希美もまたあの日以来消息を絶っていた。元々どこからやってきたのか、安倍にとって
も色々謎の多い娘ではあった。ひょっこり現れて「強くなりたい」と言うので格闘技の真
似事を少々教えた程度の間柄でしかない。
(圭織に負けたのがそんなにショックだったのかな?)
なつみはそう解釈してあまり気にしないことにした。今は試合に集中することが大切であ
る。こんな所で負ける訳にはいかないのだから、あいつの前に立つまでは。
(真希・・)
『1回戦第6試合、村田めぐみ対安倍なつみ』
マイクアナウンスの声がそう響き渡ると、会場中が一斉にどよめいた。伝説となり語り継
がれる後藤真希との対決以来、実に3年ぶりに公の舞台に姿を現わす王者の帰還を会場中
の全ての人間が歓喜と期待の声で受け入れた。
(やっぱり緊張するべさ)
入場中は照れ笑いを浮かべていたなつみも、対戦場に足を踏み入れ対戦相手と向かい合う
頃には顔つきも変わっていた。無敗のチャンピオンとして君臨していたあの頃の顔に。

23 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:41 ID:p71S2xaV
「フォッフォッフォッ、どうやら間に合ったようじゃの。」
「間に合ってねーっつうの!もう決勝じゃん。」
「ひとみ君、長い人生、そう慌てる事もんじゃないですぞ。」
「うっせぇババア!遅れたのはあんたのせいだろうが!」
「誰がババアじゃ!わしゃまだまだ現役じゃわい!」
「はいはい、わかりました。」
プッチの総帥保田圭と吉澤ひとみが口論しながら会場に入ると、中部予選はもう決勝が始
まる所まで終っていた。二人の後ろから入場した後藤真希の目が試合舞台に立つ娘にくぎ
付けになる。
(なっち・・)
『決勝戦、安倍なつみ対柴田あゆみ』
保田達の方からでは安倍は背を向けていて、その表情を窺い知る事はできない。吉澤ひと
みは背中越しに見えるもう一人の娘を見て小さく声をあげた。
「柴ちゃん・・」
吉澤の頭の中に昨年の決勝トーナメント準決勝の光景が思い浮かんできた。その時の対戦
相手が今そこに立つ柴田あゆみだったのだ。キックボクシングを主とする彼女の格闘スタ
イルは吉澤とも似た部分があり、かなり苦戦した記憶がある。
(柴田あゆみと安倍なつみ、どっちが勝つのか、正直わかんないよ)

24 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:42 ID:p71S2xaV
(この子、強い)
 安倍なつみは苦戦していた。出会い頭に柴田のハイキックをもらい、それでペースを相
手にもっていかれてしまっていた。ここまで問題なく勝ち進んで来たのだが、決勝の相手
はどうやら別格だったと気付くのが少し遅かったみたいだ。
「3年のブランクを持つ過去の王者と昨年のベスト4選手じゃ、やっぱこうかな。」
稲葉貴子はあくまでも記者の目で、試合状況から力関係を判断していた。そんな態度の先
輩記者に平家は気を震わせて反論する。
「そんなことないです!なっちは別格です!」
だがそんな平家の思いもむなしく、柴田必殺のハイキックが再び安倍の頭部にヒットした。
そのまま安倍は成す術もなく崩れ落ちダウンする。
(負ける・・)
会場中にいる全ての人間がなっちの敗北を悟った。伝説は所詮伝説、もはや過去の産物な
んだと誰もが諦めた。ただ、一人を除いて。
「立て・・」
本当に小さく、耳を澄ましていても聞き取れない様な、そんな声だったがなつみには確か
に聞こえた。大音量の声援の中でそのか細い声だけがなぜかなつみの胸に届いたのだ。
後藤真希。
安倍なつみの中で、繋ぎ止めていた何かが千切れる様な感触が起こった。

25 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:44 ID:p71S2xaV
伝説が再び蘇る。
その場に居合わせた誰もがその光景に目を奪われていた。
『勝者!安倍なつみ!!』
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
会場中の観客の歓声がうなりとなってコダマする。
「なっちが帰ってきた!」
平家はまた涙を流した。常に冷静だったはずの稲葉すらも驚きを隠せないでいる。
 立ち上がったなっちの動きはそれまでもの物とは比べ物にならなかった。全てにおいて
柴田を圧倒したその姿は修羅に等しい。結果、普段見せる温厚ななっちからは想像もつか
ないほどの残忍さで柴田あゆみを打ち倒していた。決着が着き、我を取り戻したなっちの
視線の先には一人の娘がいた。震えを押さえ切れない後藤真希。それは恐れから来る震え
ではない、喜びだ。闘う事に退屈していた自分に終わりを告げる刻が来た事への。
(やっぱりあんたしかいないよ、私を満足させてくれるのは・・)
そんな後藤と安倍の両方を見据える娘、吉澤ひとみ。
(ごっちん、やっぱりあんたの目にはあいつしか写っていないんだね。)
(いいさ、思い知らせてあげるよ。あんたもあいつも私が倒して!)
吉澤の中で標的がもう一人増えた。後藤を振り向かせるには安倍なつみ、あいつを倒す必
要がある。吉澤は煮えたぎる心を押さえつける為、拳を強く握った。

26 :辻っ子のお豆さん:02/03/18 14:45 ID:p71S2xaV
もう一人、拳を熱く握り締める娘がいた。グラップラー真里こと矢口真里である。あんな
ものを見せ付けられては、自分の内に眠る闘争本能を押さえつけるのに大変であった。
「すごかったですねえ。」
対して石川梨華はまるで他人事みたいに素直に感想を述べていた。
「あのなあ、本番でお前も対戦することになるかもしんねえんだぞ。」
「でも、対戦しないかもしれないじゃないですか。」
石川は変な考えのポジティブ思考だ。その為、何でもまっすぐに考える矢口とは食い違う
ことが多い。それがわかっているので矢口もそれ以上突っ込むのを辞めた。同じまっすぐ
でも加護はここで辞めないのですぐにケンカとなるのだ。
「よおし、帰るぞ。」
飯田の合図に二人は応じる。矢口にとっては館長の飯田も何を考えているのかよくわから
ない。これだけの闘いを見ても、少しも動じていない。いや動じているのかどうかわから
ないといった方が正しい。
「あと3ヶ月か・・」
帰りの車の中で、矢口は流れる窓の外の景色を眺めながら一人呟いた。モームス最大トー
ナメント本選の日までもう3ヶ月を切っていた。今日の安倍で出場選手16人中半分の8人
が決定したことになる。残りの8人もこれから全国各地で行われる予選大会の結果によっ
て決まっていく。きっとまだ見ぬ強豪もいることだろう。だがどんな奴が現れても優勝す
るのは自分だ。それだけの自信があり、矢口はもう待ちきれずにいた。

27 :辻っ子のお豆さん :02/03/18 14:58 ID:p71S2xaV
時間かけてでも絶対完結させたいんで
よろしくお願いします.

28 :加護っ子のお豆さん:02/03/18 15:56 ID:qejQ1Hu2
新スレおめれす!!

29 :にんにん ◆aDQNINJA :02/03/18 16:43 ID:tj5QXy5Z
かおりんが活躍しそうに無いのが残念だけどガンガレ!

30 :某名無し:02/03/18 17:22 ID:z7HWGqJ0
新スレオメ!!
加護っこさんのところに行ったらリンク貼ってあって
ついうれしくてまだ読んでもいないのにレスしてしまいました。スマソ


31 :名無し募集中。。。:02/03/18 18:14 ID:BIpjU3y2
修羅の門か…
この前はスラムダンクだったな。
辻っ子はマンガを元ネタにするのがお好きなようで。

32 :むすむす:02/03/18 21:32 ID:IKn15jMy
楽しみんしてますよぉ〜

33 :辻っ子のお豆さん:02/03/20 01:06 ID:ftXyGPS2
 安倍なつみの復活はその日のニュースですぐに全国に広まった。そして、そのニュース
は各地で眠る猛者を呼び起こす原動力となった。なっちが本選へのキップを手にしたあの
日から一月程経ったある日の事、プッチの総帥保田圭は朝刊にその名前を見つけ、飲んで
いたお茶を思わず吹き出しそうになった。
「福田明日香・・」
老眼鏡を架け直し、あらためてその記事を読み直す。
「九州予選優勝、やっぱりあの福田明日香か。」
「誰すか、そいつ?」
一人で目を丸くしている保田を見て、吉澤は思わず声を掛けた。すると保田は嬉しそうに
笑みを浮かべ朝刊を折りたたむ。
「お前が知らないのも無理はない、なっちが王者となるさらに以前の話じゃからのう。」
「フーン。」
「その時代、日本格闘技界には天才がいた。まあ今でいう所の後藤の様な・・」
後藤の名前が出て吉澤の眉がピクリと動く。
「なっちが頂点に立つ頃に、人知れず引退をしたと聞いておったが、まさかのぅ。」
「そんな奴、ごっちんの敵じゃねえよ!」
吉澤は急に機嫌を悪くし部屋を後にした。
(もちろん、私の敵でもね!)

34 :辻っ子のお豆さん:02/03/20 01:07 ID:ftXyGPS2
 セミの泣き声が鳴り響く、熱い夏がもうそこまで迫って来ていた。ピンク色のカーディ
ガンに身を包んだ娘が喫茶店の扉を開ける。娘は待ち合わせ相手の姿を見つけ、笑顔で手
を振って駆け寄った。
「ハーイ、よっすぃー。」
声を掛けられた娘は、彼女を見てやれやれといった感じで肩を竦めた。
「梨華ちゃん、あんまりでかい声出すなよ。誰かに見られたらまずいだろ。」
「どうして?」
「わかるだろ。プッチの私が対立関係にあるTAPのあんたとお食事なんて。」
「ああーそっか、矢口さん辺りに知られたら大目玉だ。」
「うちも婆さんが結構口うるせーんだよ。」
「お互い大変だね。」
二人は声を潜めて笑った。
 立場の違う吉澤と石川がこうして友人関係を持つ様になったのは昨年の夏頃である。吉
澤が一人で繁華街を歩いていると、可愛らしい少女が数人のチンピラに絡まれている所を
目撃した。正義感の強い吉澤は当然それをほうっておくはずもなく、止めに入ろうと近づ
いたのだが、そこで驚くべき光景を見る事になる。流れる様な足技であっという間にチン
ピラ共を打ちのめしてゆく少女の姿である。そのあまりの美しさに吉澤は近づいた目的も
忘れ、しばしその少女に見とれてしまっっていた。それが二人の出会い。

35 :辻っ子のお豆さん:02/03/20 01:09 ID:ftXyGPS2
「また本選出場選手が決まったらしいよ。」
吉澤は持っていた格闘技雑誌を開いて、対面に腰を下ろした石川に見せる。
「プロレスラーの小川、天才空手家福田、ムエタイの新垣、極真の紺野・・」
雑誌に書かれた名前を、石川はそのまま暗唱して首を傾ける。
「一人も知らないや。」
「そう、今年は結構無名の選手が勝ち上がってるんだって。平家さんが言ってた。」
「あーあの、記者さん。」
「うん、言い換えればそれは逆に怖いことだってもね。どんな隠れた強い奴が出てくるか
もわからない。まあ私に言わせりゃそれが楽しみであったりもするんだけどさ。」
「私は別にどうでもいいけど、あの人さえいれば。」
「ごっちん?」
「うん。」
「駄目!ごっちんを倒すのは私なんだから、それだけはいくら梨華ちゃんでも譲れない。」
「フフ・・よっすぃーは後藤さんのことになるとすぐムキになるんだから。」
「ム、ムキになんかなってないよ。」
「まあどっちが倒すかは、トーナメントの組み合わせ次第だしね。」
「うん、もしかしたら梨華ちゃんと闘ることになるかもしんないんだよね。」
「そうなっても手加減すんなよ。」
「するか馬鹿。」
二人はまた微笑みながら、グラスを重ねあった。

36 :辻っ子のお豆さん:02/03/20 01:10 ID:ftXyGPS2
吉澤と分かれた石川は、人気のない夜道を家路へと一人歩いていた。
(気配、まだ着いてくる?)
先ほどから自分の後を付けてくる妙な気配を背後に感じていた。普段からその様なことが
多い石川はそんな時の対処も慣れっこだったのだが、今回のはどうもいつものそれとは勝
手が違う様だ。
(ほとんど気配を感じさせない、相当できる人だ)
「何か用あるなら、姿を見せてくれませんか?」
 石川は意を決して振り返り、見えない相手に声を掛けた。すると右ななめの電柱から大
きな人影が姿を見せた。電柱に備え付けられたライトが逆光となって、相手の顔はまだよ
く見えない。
「TAPの石川梨華さんだね。」
聞き覚えのない女性の声、しかし自分の事を知っている。石川にはそれが誰なのか判断す
ることはできなかった。とはいえ恐怖を感じている訳ではない。相手がどれほどの実力者
でも、たとえどんな凶器を持っていたとしても、それを退けるだけの自信はあった。そし
て事実石川にはそれだけの力があった。ただ、せっかくの休日に面倒くさいと思っただけ
である。石川は矢口と違って元々争いが好きな性格ではない。
「そうですけど、何の御用ですか?」
ぶうっきらぼうにそう答えると、見えない影は口元を緩めた様に見えた。

37 :加護っ子のお豆さん:02/03/20 01:16 ID:WmUOnsDL
リアル更新キターーーーーーー!!

38 : :02/03/20 07:55 ID:3dZtPmjL
福田明日香って聞くとハッピーエンドの福田を思い出す。
オー怖。クワバラクワバラ。

39 :ペプシキング:02/03/20 15:03 ID:BM43uX0e
新スレおめです。

40 :辻っ子のお豆さん:02/03/20 23:56 ID:VhBJ6Xo0
「石黒彩、そいつは確かにそう名乗ったんだな。」
「はい、お二人によろしく伝えてくれって。」
「…」
翌日のTAP館長室、石川が昨夜の出来事を話すと飯田と矢口の表情が一変した。
「誰なんですか、その石黒って?」
「数年前まで、まだお前が入門する以前だね、TAPの師範だった女だ。」
「ほんと厄介な奴が戻ってきたよねー。」
「厄介?」
「とにかく狂暴で一旦暴れ出したら止まんねえの。」
「矢口さんも似たようなもんじゃないですか?」
「あんたねー、殴るよマジで。」
「キャーほら狂暴〜!」
石黒は暴力事件を起こしてTAP会館破門となった。その時、暴れて警察も手の付け様が
なかった石黒を取り押さえたのが飯田と矢口の二人だったのだ。
「まさか、まだあん時の事根に持ってやがんのかアイツ!」
「何にしろ、気を付けた方が良さそうだな。」
飯田はまた悩みの種が一つ増えて大きくため息をつく。もう一つの悩みの種、加護亜依の
消息は依然として掴めずにいた。これでもう2ヶ月近くになる。
「何してんだあいつは・・」

41 :辻っ子のお豆さん:02/03/20 23:58 ID:VhBJ6Xo0
 モームス最大トーナメント出場選手はすでに、全国各地で開催された予選大会を勝ち上
がってきた10名の猛者に、予選免除である昨年の優勝者後藤と準優勝者吉澤の2名を加
えた12名が決定している。そして今日、13人目の出場選手を決める為の予選がここ四国
会場で始まろうとしている。
「後藤、吉澤、矢口、保田、石川、飯田、高橋、安倍、小川、福田、新垣、紺野。」
「そこにあと4人が加わる訳ですね。」
「ああ。ってあんた誰?」
出場選手一覧を読み上げていた平家は突然声を掛けられ、慌てて顔を横に向けた。見た事
ある様な顔がそこにあった。だがどうにも思い出せない。
「その4人の内の1人になるものです。」
「え、それじゃあ今日予選に出場する方?」
「オーイエース、かっこよく決めるんでイイ写真とってね。」
そう言うとその明るい娘は、勢い良く試合場へ飛び出して行った。
『市井紗耶香対ダニエル 始め!』
市井紗耶香?どこかで聞いた様な名前だ。一体どこで聞いたのだろう。平家は記憶を辿っ
てみたがまだ思い出せずにいた。
(やけに自信タップリみたいだったし、相当強い人なのかなぁ)
しかしあの娘の相手は巨漢の外国招待選手である。とても勝ち目が有る様には思えない。
ところがその娘の構えを見て、平家はすぐに考えを改める。

42 :辻っ子のお豆さん:02/03/20 23:59 ID:VhBJ6Xo0
 独特の右腕だけ少し倒したボクシングスタイルの構え、それを見た平家は記憶の糸が繋
がった。かつてその構えで幾多の猛者を一撃の下に葬り去ってきた選手がいた。
(プッチの元エース、鉄拳市井紗耶香!)
 激しい衝撃音が場内に響き渡る。右ストレートのたった一発でダニエルの大きな体が宙
を舞った。場外まで吹き飛ばされたダニエルにはすでに意識はなかった。
『それまで!勝者市井紗耶香!』
結局、市井はこの後右ストレート一本で予選を全て勝ち抜く事になる。
「ね、言った通りでしょ。平家さん。」
大会終了後、圧倒的強さで優勝した市井は再び平家の所へやってきた。
「はい、思い出しました。貴方とはまだ私が駆け出しの頃プッチでお会いしてました。」
「なーんだ。やっぱり忘れてたのぉ?」
「でもどうして貴方まで出場しようと?」
「TVでなっちのニュース見てたら、体がうずいてきちゃって。」
ここにもいた。あのなっちの復活に心を揺さ振られた者が。確実に何かが起ころうとして
いる。あのなっちの復活を皮切りに。
「それで目標は、当然優勝狙いですか。」
「まあやれるだけやってみるよ。」
市井は自慢の拳に唇を重ね、ウインクしてみせた。
本選出場選手13人目、市井紗耶香。残り枠3人。

43 :Mr.Foon:02/03/21 14:40 ID:7ih6fcoC
鳥肌たった・・・(;゚д゚)
いつもイイ小説書いてくれて産休

44 :辻っ子のお豆さん:02/03/21 18:33 ID:ibz2yGRc
潮風を受けて小さな漁船が港へと海を駆ける。
「見えたでぇ〜のの。」
「ひさしぶりの日本れす。てへてへ。」
 薄汚れた格好の少女が二人、船頭から陸地を眺めはしゃぎあう。この二人こそ2ヶ月前
姿を消した辻希美と加護亜依であった。

45 :辻っ子のお豆さん:02/03/21 18:33 ID:ibz2yGRc
「たっだいむぁ〜!あいぼんやでぇ〜!」
「加護!」
ずっと行方不明だった加護亜依が突然現れたので、矢口石川を含めたTAPの門下生達は
驚き慌てふためいた。
「あんた今までどこにいってたのよ、心配したのよ!」
「へへへ〜。」
「そんなことより石川、圭織を呼んでこい!」
「あ、そうですね。はい。」
数分後、石川の報告を受けた飯田はすごい形相で道場へ降りてきた。
「加護か。」
「館長、まだ間に合いますか?」
「何がだ?」
「予選。そのために修行してきたんや。」
「フン、どうせそんなこったろうと思った。安心しろ、出場手続きは済ませてある。」
「さすが館長、話がはやいで。」
「何だよオイ、加護。お前も出る気かよ!」
「当然、矢口さんにももう負けへんで。」
「おもしれえ、見せてもらおうじゃないの修行の成果ってやつ。」
「おっと、それは本番までのお楽しみっちゅうやつや。」

46 :辻っ子のお豆さん:02/03/21 18:34 ID:ibz2yGRc
同じ頃、安倍なつみの元には辻希美が姿を見せていた。
「ウーッス、久しぶり。何してた。」
「強くなってきたのれす。」
「そういえば、前より一回り体が大きくなったみたい。」
「デブって言わないでくらはい!」
「いや言ってないでしょーが。」
内心安倍なつみは驚きを隠せずにいた。辻の体型が明らかに以前とは異なっていたからだ。
かなりウエイトがアップしていることが傍目にもわかる。以前の細身であった辻でも驚く
べきパワーを秘めていたというのに、さらに体重増加を重ねたこの状態では一体どれくら
いの力を秘めることになるのか見当もつかない。
「まら間に合いまふか?」
「もしかして、あんたも出場する気?」
「へい!」
「来週の大阪大会はもう間に合わないかもしれないけど、その次の東京大会なら・・」
「それれいいれす。」
 もしかして自分はとんでもない化け物を育て上げてしまったのではないだろうか、そう
いう複雑な思いが安倍の心の中に住み着いてきた。そしてその思いは翌々週に行われる予
選大会で確信へと変わるのである。

47 :辻っ子のお豆さん:02/03/21 18:35 ID:ibz2yGRc
 テコンドーのチャンピオン、ソニンは退屈していた。この大阪予選に出場し決勝まで勝
ち上がってきたのだが、ここまで自分の退屈を埋めてくれる様な相手に出会えずにいた。
どいつもこいつも秒殺できる様な雑魚ばかりだったのだ。さすがに決勝くらいはマトモな
相手と闘れるだろうと期待したのだが、どうやらその期待も無駄に終りそうなのだ。決勝
の相手は身長150cmくらいの子供に決まった。
(やれやれ、あんな子供が勝ち残る様なレベルの低い大会だったのか・・)
 すっかりやる気を損ねたソニンはもう棄権して帰ろうかとさえ思っていた。この程度の
レベルで優勝した所で何の自慢にもならない。
『決勝戦!加護亜依対ソニン!』
自分の名を呼ぶ場内アナウンスを聞き、ソニンはため息を付いて立ち上がった。
(とっとと終らせるか)
リングの上に立つ相手はやはり、どこからどうみても子供にしか見えない。
「お手柔らかに頼むでぇ〜。」
笑顔で対戦相手の自分に握手を求めてきやがった。ふざけるな。いらついていたソニンは
差し出された加護の手をきつく叩き返した。
「子供だろうと容赦しないよ!」
ソニンは最初からまともに相手する気などサラサラなかった。
(秒殺してやる)

48 :  :02/03/21 21:19 ID:oI5F/rA/
ののの一回り大きくなった体・・・。オェ
たとえ辻豆さんの小説でもあんまり想像したくないですね。(W

49 :辻っ子のお豆さん:02/03/21 22:42 ID:gKPdwuZm
>>48
いや、こういう意味です。
元の辻・・2000年の辻
一回り大きくなった辻・・2002年の辻
今よりでかくなった訳じゃないですよ。

50 :50:02/03/21 23:33 ID:O9GRGK+b
50

51 :48:02/03/22 01:49 ID:UbVB5ghs
なんだそういうことか。
想像して損した(W
なら一回り大きくなってほしくなかったなぁ。(NW

52 :辻っ子のお豆さん:02/03/22 11:46 ID:BovhzBPa
「イキナリズム!!」
予備動作のない瞬速の前蹴りが加護を打ち抜く。これがソニンの自慢とする最強の必殺技
である。開始の合図と同時のイキナリの攻撃は回避不可能といって良い。その例に漏れず
加護もまた大きなダメージを受けた。
「ゲホッゲホッ、すごいなぁあんた。」
「立ち上がれるのか、その根性だけは認めてやる。だがもう辞めておけ。」
しかし加護は立ち上がり再び構えをとる。
「せっかくやから、試してみたいやん。」
次の瞬間、ソニンは腹部に熱い衝撃を感じた。加護の前足がそこにあった。
(バカな、今のは・・)
「へへ〜できたでぇ。今みたいなのでええんやろ。」
イキナリズム!ソニンの必殺技を加護は一目見ただけでやってのけたのだ。
(そんなウソよ。私がこれを修得するのに何年かかったと思ってるの!)
その後も怒りを露わにしたソニンの猛攻が続いたが、加護はそれら全てを学習している様
にさえみえた。
「マジかよ、アイツ!」
観客席で観戦していた矢口もこれには開いた口が塞がらない。石川はあくまで冷静に観察
を続けている。飯田はむしろ嬉しそうでもあった。

53 :辻っ子のお豆さん:02/03/22 11:47 ID:BovhzBPa
 試合は長期戦となった、あらゆる技を駆使してソニンが攻め立てるが、加護は一目見た
だけでそれら全てを真似するのだ。攻防は互角でも精神的に追い込まれるのはソニンの方
であった。
「おおきに、テコンドーだいぶ学ばしてもろたで。」
ソニンにはもはや勝機は残されていなかった。持っている技の全てを真似られているのだ。
これ以上どれだけ続けてもむしろ相手を成長させるだけである。
「あいつは本物の天才かもしれん。」
飯田の言葉に、矢口そして石川の瞳が冷たく光る。それは同じ門下の仲間を見る眼ではな
く、一人の強大な敵を見る様な眼であった。
 結局ソニンは自ら敗北を宣言し、加護は本選への出場を決めた。試合の後、加護は再び
笑顔でソニンに握手を求める。そのあどけない笑顔を見ていたらソニンは、心の中でモヤ
モヤ渦巻いていた悔しさや怒りが全て吹き飛んでしまった。
「この先もがんばれ。」
ソニンも笑って加護の手を握り返した。
「にひひ〜。」
加護は歯を見せてさらに大きく笑った。
天才物真似士加護亜依本選出場。残り枠2人。

54 :辻っ子のお豆さん :02/03/22 11:48 ID:BovhzBPa
ニュースで加護の予選通過を知った辻は一人で大盛り上がりだった。
「ののも負けてられないのれす。」
 東京大会はこれまでの予選の中でも最も出場者も多く、過酷な戦いになるだろうと言わ
れていた。中でも一番注目された選手は力自慢のりんねと呼ばれる選手である。りんねは
大方の予想通り、驚異的なパワーで立ち塞がる者達をなぎ飛ばし見事決勝へとコマを進め
た。そしてもう一人誰も予想していなかった娘がこれまた圧倒的なパワーで勝ち上がって
きていた。辻希美である。
「つぃののみれす。よろしくおねらいしまーす。」
「りんねだ。よろしくな。」
決勝戦の舞台、二人は丁寧に挨拶を交わし対峙した。
『はじめー!!』
試合開始の合図と共に辻は頭からりんねに向かって突撃した。
(技もクソもない、この子素人か?)
あまりに単調な攻撃、避けるのは容易いこと、しかしりんねはあえて真っ正面からそれを
受け止めようと構えた。力では誰にも負けないという自負がそうさせたのだろう。
ドーン!

55 :名無しりんね:02/03/22 19:53 ID:PSStR0/M
(T ー T)いたい・・・。

56 :辻っ子のお豆さん:02/03/22 20:46 ID:4UxjawNq
 牧場で働いているりんねはいつも北海道の大きな青空を眺めて考えることがある。いつ
かこんな大きな青空を、羽を伸ばして飛んで見たい。
夢が叶った。
りんねは飛んでいた。
(ああ・・いい気持ち)
そのまま観客席に墜落した。
『勝者!辻希美!!』
「わーい、かったのれす。」
 また一人とんでもない新人が現れたと誰もが驚いていた。これで本選出場枠はあと一つ、
いよいよその時が近づいてきた。最後の予選は名古屋で開催される。しかし、その予選は
予想外の結末を迎えることになる。
「石黒彩・・!」
 その名前を聞いた矢口真里は自分の耳を疑った。あの危険人物がまさかモームス最大ト
ーナメントへの出場を考えていたなんて思いもよらなかったからだ。
(あの女がまともに試合をするなんて考えられない)
矢口はすぐさま、石川を連れて道場を飛び出した。向かう先は当然名古屋。
(今から飛ばせば、決勝には間に合う)

57 :辻っ子のお豆さん:02/03/22 20:47 ID:4UxjawNq
 矢口と石川が名古屋会場前に到着した時、大きなどよめきと救急車のサイレンの音で、
辺りは騒然としていた。
「一体何があったんでしょうか?」
「石黒の奴、やっぱりやりやがったか。」
矢口は石黒の凶暴さを知っていた。それ故に急いで会場まで足を運んだのだ。
(あいつを止めれるのは私しかいない。)
すぐに戦闘態勢に入れるくらいの気構えで、矢口は会場内へと足を踏み入れた。
「!」
 だが、そこで目に映った光景は予想を遥かに凌駕する物であった。担架に乗せられて全
身血だるまの女性が運ばれてくる。その負傷者の顔を見て矢口の背筋に冷たいものが走っ
た。
「石黒・・!」
「え!」
「ウソだろ、どうしてあいつが?」
担架に乗って運ばれていた女性が石黒彩だったのだ。頭が混乱してきた。あの石黒が加害
者ではなく被害者?これは一体どういうことなのだろうか。矢口は担架が救急車に乗せら
れたのを確認し、試合場へと向き直った。

58 :辻っ子のお豆さん:02/03/22 20:49 ID:4UxjawNq
リングの中央に真赤な鮮血が浮かび、その中央に一人の娘が立ち尽くしていた。
その手は血に塗れ、その足も血に濡れている。
少女は笑っていた。
どこまでも美しく、どこまでも冷酷に、どこまでも無邪気に。
「ピーチ♪」

本選出場 最後の一人 松浦亜弥

こうして16人の娘達が集った。
本当の闘いはここから始まる。

【第1章 終】


59 :加護っ子のお豆さん:02/03/23 00:56 ID:9m0sAnOA
やっぱりあややだぁ!!キターーーーーーー!!

60 :..:02/03/23 03:13 ID:kiudlzn7
サイコウ!!

61 :吉っ子のお豆さん:02/03/23 10:28 ID:gjsC06Q5
やっぱ辻豆さんの作品はどれもおもろい!
それにしてもあややはやっぱり冷徹サイボーグなんすね(W

62 : :02/03/23 16:56 ID:gpWE39xA
あややコワ━━━━(゚∀゚)━━━━イ!!!!!!


63 :辻っ子のお豆さん:02/03/23 20:06 ID:2QTsxbre
【第2章 モームス最大トーナメント】

 大会主催者であるつんくが闘技場に姿を見せると、観客達の熱気は一気に沸点に達しよ
うとしていた。マイクを取り出したつんくは一呼吸置いて声を張り上げる。
「地上最強の娘が見たいかーっ!」
「オ――――――――――――!!!!」
呼応するかのごとく観客は総立ちで絶叫する。
(俺もや、俺もやみんな!)
つんくは感極まるあまり涙を流しそうになった。
『全選手入場です!!』
マイクアナウンスの声が会場全体に響き渡り、最初の娘が姿を見せる。

64 :辻っ子のお豆さん:02/03/23 20:07 ID:2QTsxbre
『なっちは生きていた!3年の沈黙を破り人間凶器が蘇った!生きた伝説!
 安部なつみだぁー!』
『まさかこの人がきてくれるとは!日本格闘技界の双璧TAP会館館長!
 武神!飯田圭織だー!』
『武術空手はこの娘が完成させた!TAP会館のリーサルウェポン!石川梨華!!』
『最強の拳が再び!プッチの元エース!鉄拳!市井紗耶香だー!!』
『プロレスラーは本当に強いんです!燃える闘魂!小川真琴!!』
『天才物真似士見参!こいつは何かやってくれる!加護亜依だぁー!!』
『果たしてこの娘を倒す娘は現れるのか!連覇に一点の死角なし!
 現役モームスチャンピオン後藤真希の入場だーーー!!』
『極真空手から最強の刺客!でもなぜか茶帯だ!極真世界王者!紺野あさ美!!』
『その空中殺法は華麗かつ正確無比!新世代のエース!高橋愛だぁー!!』
『格闘技は素人!しかしその腕力は驚異的!雪だるまになりたい!辻希美だー!』
『実力でここまで来た!今日も当然実力で優勝する!ムエタイチャンプ!新垣里沙!』
『過去、日本格闘技界には天才がいた!格闘サイボーグ福田明日香が帰ってきたー!』
『闘いたいからここまで来た!キャリア一切不明!桃色の死神!松浦亜弥!!』
『裏世界、地下闘技場王者がついに陽の当る場所に!中国拳法!矢口真里だぁー!』
『達人の奥義が今実戦でバクハツする!保田流柔術!保田圭先生だー!』
『抜群の身体能力と格闘センス!プッチの荒獅子の狙いは頂点のみ!吉澤ひとみだー!』
以上、16名によって最高の闘いが今始まる。

65 :辻っ子のお豆さん:02/03/23 20:09 ID:2QTsxbre
 選手入場の後16名の娘達は組み合わせ抽選のため、抽選会場へと移動する。そこでは
つんくの秘書、中澤裕子が首を長くして待っていた。傍らには四角い箱の置かれた台座が
ある。中澤は全員いる事を確認すると唐突に説明を始めた。
「この中に@からOまで番号の書かれたカードが入ってる。おいっそこのチビ共聞け!」
おしゃべりをしていた辻加護が慌てて前を向く。
「その番号でトーナメントの組み合わせを決めるからね!引く順番は本選出場が決まった
 順。まず予選シードの後藤と吉澤、あとは予選通過の早い者から順にいくよ!」
中澤の眼で促され、最初に後藤真希が一歩前に出る。昨年の優勝者。その場にいる誰もが
彼女の動向に注目を向ける。後藤は四角い箱の上部にある小さな丸穴に手を入れ、中から
一枚カードを取り出した。
「5」
後藤真希の引いたカードにはそう書かれていた。つまり第3試合、6番を引いた娘と対戦
する訳である。続いて吉澤ひとみが入れ替わり前に出る。
「11」
吉澤ひとみは11番。後藤真希とは反対側のブロックだ。
(今年もごっちんとは決勝まで当らないのか・・)
だが、組み合わせなど吉澤にはたいして重要な事でもなかった。どこにいこうと自分は勝
ち上がるだけである。同様にごっちんも勝ち上がるだろう。そうすれば自ずと決戦の舞台
は整う。それが遅いか早いかの違いだけである。

66 :辻っ子のお豆さん:02/03/23 20:10 ID:2QTsxbre
「次、矢口真里。」
「はーい。」
 予選を一番最初に通過した娘はこの矢口であった。それから半年近くも待たされ矢口の闘争本能はもう押さえ切れない所にまできていた。
(早く闘りたい)
ところがクジは、そんな矢口の思いを裏切る。
「15」
「なんだよー!一番最後かよー!」
矢口は口をとんがらせて元の位置へ戻った。
「フォッフォッフォッ、次はワシじゃのう。」
保田のおばあちゃんがクジを引く。
「10」
そこで同門の吉澤ひとみ軽く顔を上げる。同じCブロックになったからだ。
(ババアかよ、厄介なのが近くにきやがったな)
5番手は石川梨華。彼女は中澤に一度お辞儀をしてからクジを引いた。
「3」
(よし、よっすぃーより先に後藤さんとやれる)
石川は心の中で小さくガッツポーズをした。
続くはTAP会館館長の飯田圭織である。彼女はいかにも彼女らしい番号を引き当てた。
「1」

67 :辻っ子のお豆さん:02/03/23 20:17 ID:+i1U+OG6
高橋愛が番号の数字を口に出すと、辺りに小さなざわめきが起こった。
「9」
ようやく一組目の対戦カードが決定したのだ。
高橋愛vs保田圭
しかし両者ともことさら意識せず、冷静を保ったままである。そして8人目、出場選手の
多くが注目を向けるあの娘の番がやってきた。
安倍なつみである。
彼女の結果次第で、この大会の大勢が変わるといっても言い過ぎではないだろう。
「8」
その瞬間、選手内に一気に緊張が走る。安倍なつみが後藤真希と同じBブロック。順当に
いけば2回戦で早くもあの伝説の名勝負が蘇ることになる。しかし、言い換えればそれは、
まだ抽選を行なっていない他の選手からすれば恐ろしいことでもあった。
(Bブロックは鬼門)
嫌が応でも安倍、後藤という2強とぶつかることになる、Bブロックだけは避けたいとい
う空気が残る選手群から流れ始めた。しかし、その空気は次の娘によって一変することに
なる。小川真琴が前に進み出る。
「7」
恐れていたそれがいきなり出た。しかし彼女はむしろ喜ぶかのごとく腕を振り上げた。
「だっしゃー!」

68 :辻っ子のお豆さん:02/03/23 20:18 ID:+i1U+OG6
福田明日香。「13」
新垣里沙。「4」
紺野あさ美。「12」
抽選は進み、一つまた一つと対戦カードは決まってゆく。そんな中ついに昨年の王者後藤
真希の対戦相手が決定する。それは後藤にとって、最も避けたい相手となった。
市井紗耶香。「6」
(あーやっちゃった)
市井、後藤、共に顔をしかめる。運命とは薄情なものである。
加護亜依。「14」
(福田明日香?誰やろ?まあええか。)
加護は自分のことより、次に控える相棒の抽選の方が気になった。
辻希美。「2」
(あ!)
振り向いた辻は飯田と目が合う。
最後の一人、松浦亜弥のカードは引く事なく決定した。
「16」
こうして全ての組み合わせが決まった。

69 :辻っ子のお豆さん:02/03/23 20:20 ID:+i1U+OG6

飯田┓      ┏高橋
  ┣┓    ┏┫
辻 ┛┃    ┃┗保田
   ┣┓  ┏┫
石川┓┃┃  ┃┃┏吉澤
  ┣┛┃  ┃┗┫
新垣┛ ┃  ┃ ┗紺野
    ┣━━┫
後藤┓ ┃  ┃ ┏福田
  ┣┓┃  ┃┏┫
市井┛┃┃  ┃┃┗加護
   ┣┛  ┗┫
小川┓┃    ┃┏矢口
  ┣┛    ┗┫
安倍┛      ┗松浦


70 :辻っ子のお豆さん:02/03/23 20:22 ID:+i1U+OG6
ずれまくっとる・・鬱死

71 :辻っ子のお豆さん:02/03/23 20:35 ID:DyZc4cxH

飯田┓ ┏高橋
┣┓ ┏┫
辻 ┛┃ ┃┗保田
┣┓ ┏┫
石川┓┃┃ ┃┃┏吉澤
┣┛┃ ┃┗┫
新垣┛ ┃ ┃ ┗紺野
┣━━┫
後藤┓ ┃ ┃ ┏福田
┣┓┃ ┃┏┫
市井┛┃┃ ┃┃┗加護
┣┛ ┗┫
小川┓┃ ┃┏矢口
┣┛ ┗┫
安倍┛ ┗松浦


72 :辻っ子のお豆さん:02/03/23 20:36 ID:DyZc4cxH
余計悪くなった!
駄目だー!

73 :辻っ子のお豆さん:02/03/23 20:52 ID:z8oP1psK

飯田┓            ┏高橋
   ┣┓        ┏┫
のの┛┃        ┃┗保田
     ┣┓    ┏┫
石川┓┃┃    ┃┃┏吉澤
   ┣┛┃    ┃┗┫
新垣┛  ┃    ┃  ┗紺野
       ┣━━┫
後藤┓  ┃    ┃  ┏福田
   ┣┓┃    ┃┏┫
市井┛┃┃    ┃┃┗加護
     ┣┛    ┗┫
小川┓┃        ┃┏矢口
   ┣┛        ┗┫
安倍┛            ┗松浦


74 :辻っ子のお豆さん:02/03/23 20:53 ID:z8oP1psK
だいぶよくなってきたか

75 :辻っ子のお豆さん:02/03/23 20:58 ID:7b7ZMsXN
飯田┓           ┏高橋
   ┣┓        ┏┫
辻  ┛┃        ┃┗保田
    ┣┓    ┏┫
石川┓┃┃    ┃┃┏吉澤
   ┣┛┃    ┃┗┫
新垣┛  ┃    ┃ ┗紺野
       ┣━━┫
後藤┓  ┃    ┃ ┏福田
   ┣┓┃    ┃┏┫
市井┛┃┃    ┃┃┗加護
    ┣┛    ┗┫
小川┓┃        ┃┏矢口
   ┣┛        ┗┫
安倍┛           ┗松浦


76 :これでどうだ:02/03/23 20:59 ID:7b7ZMsXN
飯田┓          ┏高橋
   ┣┓       ┏┫
辻 ┛┃       ┃┗保田
    ┣┓    ┏┫
石川┓┃┃    ┃┃┏吉澤
   ┣┛┃    ┃┗┫
新垣┛  ┃    ┃ ┗紺野
       ┣━━┫
後藤┓  ┃    ┃ ┏福田
   ┣┓┃    ┃┏┫
市井┛┃┃    ┃┃┗加護
    ┣┛    ┗┫
小川┓┃       ┃┏矢口
   ┣┛       ┗┫
安倍┛          ┗松浦

77 :まる2:02/03/23 21:08 ID:1xANz/Rz
PRIDEグランプリまだかなー

http://sportsup.jp/~inasaku/

78 : :02/03/23 22:01 ID:x6O47RQL
トーナメント表の辻豆さんの奮闘振りにワラタ

79 : :02/03/23 22:24 ID:DA4DESgT
これ初めて見たけど面白すぎ。パクリまくってるところが最高!
次も期待してまっせ。

中澤の扱いが残念だったな。リザーバーだと思ってたが…。ま、仕方ないか。


80 : :02/03/23 22:25 ID:k1IOdo3P
保田と新垣と紺野は負けそうだな

81 :名無し募集中。。。:02/03/24 00:10 ID:VrNODkW6

        @ @
●゛ポーン!  (・e・)σ<すいませんもう一回言って下さい!>>80


飯田┓           ┏高橋
   ┣┓        ┏┫
辻  ┛┃        ┃┗保田
     ┣┓     ┏┫
石川┓┃┃     ┃┃┏吉澤
   ┣┛┃     ┃┗┫
新垣┛  ┃     ┃  ┗紺野
      ┣━━━┫
後藤┓  ┃     ┃  ┏福田
   ┣┓┃     ┃┏┫
市井┛┃┃     ┃┃┗加護
     ┣┛     ┗┫
小川┓┃        ┃┏矢口
   ┣┛        ┗┫
安倍┛           ┗松浦

82 :辻っ子のお豆さん:02/03/24 01:59 ID:lLTUwKO/
>>81
おおっ!うまいこといってる!
どこのどなたか知りませんが非常に感謝!

83 : :02/03/24 02:47 ID:qxVYcnrk
>80
俺は古いメンバーが勝ち残っていきそうな気がする。
新メンバーの4人は全員1回戦負けの気が・・・
読めないのは松浦だな。多分矢口が勝つんだろうけど、激闘の予感。
どうするつもりなんだろ、辻豆サン・・・

84 :新垣ヲタ:02/03/24 06:35 ID:bekYxt1u
>81
いや、新垣は負けるだろ。てか負けろ。

85 :@:02/03/24 06:53 ID:+SfQ8xwH
飯田┓           ┏
   ┣┓        ┏┫
辻  ┛┃        ┃┗保田
     ┣┓     ┏┫
石川┓┃┃     ┃┃┏吉澤
   ┣┛┃     ┃┗┫
新垣┛  ┃     ┃  ┗
      ┣━━━┫
後藤┓  ┃     ┃  ┏
   ┣┓┃     ┃┏┫
市井┛┃┃     ┃┃┗加護
     ┣┛     ┗┫
小川┓┃        ┃┏
   ┣┛        ┗┫
安倍┛           ┗松浦


86 :@:02/03/24 06:58 ID:+SfQ8xwH
まけ┓           ┏まけ
   ┣┓        ┏┫
辻  ┛┃        ┃┗保田
     ┣┓     ┏┫
石川┓┃┃     ┃┃┏吉澤
   ┣┛┃     ┃┗┫
まけ┛  ┃     ┃  ┗まけ
      ┣━━━┫
後藤┓  ┃     ┃  ┏まけ
   ┣┓┃     ┃┏┫
まけ┛┃┃     ┃┃┗加護
     ┣┛     ┗┫
まけ┓┃        ┃┏まけ
   ┣┛        ┗┫
安倍┛           ┗松浦


87 :@:02/03/24 07:03 ID:+SfQ8xwH
┓           ┏
   ┣┓        ┏┫
辻  ┛┃        ┃┗
     ┣┓     ┏┫
┓┃┃     ┃┃┏吉澤
   ┣┛┃     ┃┗┫
┛  ┃     ┃  ┗
      ┣━━━┫
後藤┓  ┃     ┃  ┏
   ┣┓┃     ┃┏┫
┛┃┃     ┃┃┗加護
     ┣┛     ┗┫
┓┃        ┃┏
   ┣┛        ┗┫
┛           ┗


88 :@:02/03/24 07:05 ID:+SfQ8xwH
後藤vs加護

89 :@:02/03/24 07:07 ID:+SfQ8xwH
優勝は、あいぼんに決定!!

90 :加護ヲタ:02/03/24 07:12 ID:bekYxt1u
いや、加護は負けるだろ。てか闇討ちされろ。

91 : :02/03/24 08:29 ID:DfB7vCl0
優勝は辻か?

(・e・)にいにいだって生きている

92 :辻っ子のお豆さん:02/03/24 12:41 ID:U7Ko3Z0j
 つんくは円形の闘技場を一望できる最高級の席に座り、満足げに気持ちを押え込んでい
た。そこへトーナメントの抽選を終えた中澤裕子が現れる。
「組み合わせが決まりました。」
その知らせを受けたつんくが合図すると、会場の上部に設置された巨大スクリーンに大き
くトーナメントが映し出される。と同時に会場中の観客が再び大声で歓声を上げた。
「なんやワクワクしてきたで。」
つんくもまるで子供みたいにはしゃぎだした。そして何かを思い出したかの様に急に、隣
に腰を下ろした中澤の方へ向き直った。
「せやせや中澤。お前もリザーバーに登録しておいたで。」
突然の話に中澤は一瞬言葉を失った。
「っえ!私聞いてないですけど・・」
リザーバーとは、負傷してどちらももう闘えない状況になった場合、代わりに出場して闘
う選手のことである。
「用意するのをすっかり忘れとってな。そしたら実力的にお前くらいしかえんやろ。」
「…」
中澤は一応つんくの秘書という肩書きだが、実際にはボディーガード的役割も果たしてい
る。事実強かった。だが彼女は歳のせいもあり、もうこんな派手な舞台には立ちたくはな
いと思っていたのだ。彼女は密かに願った。
(勝敗はどうでもいいから、みんな怪我だけはせんといてや。)

93 :辻っ子のお豆さん :02/03/24 12:41 ID:U7Ko3Z0j
1回戦 第1試合 飯田圭織vs辻希美

「えらい人とぶつかってもうたな。」
辻の控え室を訪れた加護は開口一番そうもちかけた。
「ムシャムシャ…モグモグ…ゴックン!」
辻は加護の話に耳を傾けながらも、ひたすら食べ続けている。
「うちの館長、あの人はほんまに強いで。」
「モグモグ…しってるのれす。」
アイスの容器、バナナの皮、アロエヨーグルトのカップ、コーンスープの空箱、その他色々
な食べ物の残骸が部屋中に散らばりかえっている。ようやく最後のケーキを口に入れると、
辻希美は大きく膨れ上がったお腹をポンと響かせた。
「れもれったいリベンジするのれす!」
控え室の扉を開け、辻は闘技場へと続く廊下に足を踏み入れる。その背中を見送る加護が
拳を突き上げるポーズで声を掛けた。
「のの!約束忘れてへんやろな!」
振り返る辻も、加護と同じ様に拳を突き上げ微笑み返す。
「とーぜん!決勝で会おうね!あいぼん!」
二つの拳が交わり離れ、辻希美は意気揚々と闘技場へ駆け出した。

94 :辻っ子のお豆さん:02/03/24 12:42 ID:U7Ko3Z0j
「相手の辻って、圭織がこないだ倒した子なんでしょ。」
「…」
「じゃあ楽勝じゃん。」
「…」
 飯田の控え室にはセコンドについた矢口の言葉だけが聞こえていた。飯田は部屋の中央
にあぐらをかき、瞑想を続けている。いや瞑想ではないのかもしれない、時折ぶつぶつと
小声で聞き取れない単語を発している。矢口はそれを交信と呼んでいた。飯田圭織が交信
するのは、ある条件下の時においてのみである。
(圭織が本気になるとき…)
 矢口には理解できずにいた。数ヶ月前、完全に勝利を収めた相手にどうして交信まです
るのかと。
(ほんと何考えてるか、イマイチわかんないんだよなー)
「圭織、そろそろ時間だよ。」
 時計を確認していた矢口が声を掛けると、飯田の眼が静かに開かれた。すると飯田の体
から凄まじい闘気がほとばしる。矢口だから耐えられたのだ。一般人がその場にいたら腰
を抜かして小便を垂れていただろう。それ程のとてつもない気であった。
(おいおい、マジで本気だよ)
彼女の後ろ姿を眺めながら、矢口は対戦相手の娘を気の毒に思った。

95 :辻っ子のお豆さん:02/03/24 12:43 ID:U7Ko3Z0j
 闘技場に姿を現わした飯田圭織と辻希美は、共に互いを見据え向かい合う。こうして近
くで並ぶとその差が歴然であることがよくわかる。身長差は約20cm、リーチの差も10cm
程ある。実戦格闘技においてこの差は数字以上に大きいものがある。辻が不利。誰の目に
もそう映って見えた。
「いいらさん。ひさしぶりれすね。」
「…」
 声を掛けても返事がない事で、飯田がいつもの飯田ではないと辻は感じていた。さらに
自分の足が震えていることも。
(なんれすかこれは…?)
 恐怖という感情をこれまで辻は意識したことがなかった。だが無意識に体が脅えている
のだ。震えを起こすほど強大な相手を前にして。
(こわい…?)
(そんなことないれす。ののはリベンジするのれす!)
 辻は足を大地に打ちつけるように大きく踏み込んだ。その振動が少なからず震えを押え
込む。恐怖の感情を強引に取り払った。
「負けない…れすよ。」
精一杯の強がりを返して、そのまま戦闘の構えに入る。
飯田はそんな様子の辻をただ見下ろすのみであった。
そして長き闘いの、その最初のゴングが会場中に鳴り響いた。

96 :名無し募集中。。。:02/03/24 13:11 ID:PnciDFi5
師匠なっちの激励が
ナ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━イ!!!!!

97 :名無し:02/03/24 16:03 ID:sythW8fm
なんか、修羅の門みたいでおもしろい〜。
自分的には、なっちが九十九、後藤が海棠、石川が片山といった
イメージでみているんだけど、多分話しが進んでいくと変わって
くるね。
更新楽しみにしてます。 ワクワク。

98 ::02/03/24 16:04 ID:FspXk/+k
子供には割れるけど、大人には割れない。
女にはキレイなのに、男には汚い。
犬には見えるのに、猫には見えにくい。
車では出来るけど、家では無理がある。
天気のいい日は表れるけど、雨の日は見れない。
どちらかというと、理科室より職員室のほうが住みやすい。
共通する一つのものです。それは何?


99 :おち:02/03/24 16:06 ID:PjQM1EYJ
いや、これはどうみてもグラップラ・・・・

うっぷ!!

↑闇討ち

100 :地上最強の娘は誰だ!?:02/03/24 17:52 ID:VIZsB8tg
飯田┓           ┏高橋
   ┣┓        ┏┫
辻  ┛┃        ┃┗保田
     ┣┓     ┏┫
石川┓┃┃     ┃┃┏吉澤
   ┣┛┃     ┃┗┫
新垣┛  ┃     ┃  ┗紺野
      ┣━━━┫
後藤┓  ┃     ┃  ┏福田
   ┣┓┃     ┃┏┫
市井┛┃┃     ┃┃┗加護
     ┣┛     ┗┫
小川┓┃        ┃┏矢口
   ┣┛        ┗┫
安倍┛           ┗松浦


101 :辻っ子のお豆さん:02/03/24 17:52 ID:VIZsB8tg
 ゴングと同時に飯田は瞬時に間合いを詰めた。予備動作もほとんどない突然の攻撃に辻
はあの時と同じ感覚を持った。3ヶ月前、初めて飯田圭織と拳を交えたときの事。飯田の
拳が目の前にある、これはあの時と同じ、同じ攻撃だ。辻の顔面目掛けて正拳突きが放た
れる。
(これはフェイク、ほんろうは・・)
 読んでいた辻は、正拳突きを躱してその後に来た左前蹴りを右足を浮かしガードした。
そのまま体重を前のめりにし右腕に力を込める。
(おかえしれす!)
「遅い・・」
 だが、飯田の瞳には辻の動作がまるでスローモーションを見るかのように把握できてい
た。飯田は無表情のまま防御と反撃の態勢を整える。そして辻の右フックを左腕でガードした。
「ほえ?」
がら空きとなった辻の腹部に拳を1発。
さらに連蹴りを1発、2発。
フィニッシュ、肩口に踵落とし。
それでおしまい。
『ダウーーン!!辻希美ダウーン!!』
少しの無駄もない飯田の連続攻撃に辻は成す術もなく崩れ落ちた。

102 :辻っ子のお豆さん:02/03/24 17:53 ID:VIZsB8tg
「これが武神。」
 決して大袈裟な呼称ではないとつんくは思い知った。つんくだけではない、会場にいる
ほとんどの者が、その実力に息を飲んだ。そして大歓声が飯田に贈られる。彼女の圧勝で、
このままこの試合は終る。誰もがそう確信していた。この広い会場で約3人程除いて。
(なんだろう・・胸騒ぎがするべさ)
 短い期間であったとはいえ、辻の師匠を経験していた安倍なつみはその何かを感じ取っ
ていた。そしてそれをもっと強く感じ取っている娘は、スタンド最後部の立ち見席で倒れ
込む辻を見下ろしていた。
「見せてみろ、あのときの力。」
予選決勝で辻に敗れたりんねは、そう小さく呟いた。
辻を相棒と呼ぶ少女、加護の顔にはまだ余裕が残されている。約束を信じているのだ。
(のの…)
 あらためてその圧倒的強さを見せ付けられた矢口は、軽く身震いを起こした。いや身震
いではなく武者震いだ。
(そんなもんみせんなよな、ウズくだろー。)
 そしてセコンドにて飯田を向かい入れる準備を始めた。ところが飯田の様子が少しおか
しい。
「圭織…?」

103 :辻っ子のお豆さん:02/03/24 17:54 ID:VIZsB8tg
(左腕が動かない!?)
試合場の中央で飯田圭織は自分の体の異変に気付いた。
(あの時の?ガードのせい?)
先ほどの攻防で辻の右フックを左腕でガードした事を思い出した。
(そんな馬鹿な…)
信じたくはない出来事だ。飯田がそれまで信じてきた格闘技の理論を覆す程の規格外の破
壊力。それを目の前にいる少女が持っているというのか?飯田が左腕を抱えながら辻を凝
視していると、ダウンしていた辻はゆっくりと立ち上がり始めた。
「えへへ、やっぱりつよいれすね。いいらさん。」
全然平気だと言わんばかりにテレ笑いを浮かべる辻に、飯田の理性がさらに暴走を始めた。
再び飯田が間合いを詰める。武神の全力の攻撃。
「うわっ!ちょ、ちょっろ!まっれ、まっれくらは…」
 辻は慌てて態勢を整え直そうとするが、間に合うはずもなく飯田の技をまともにもらう
ことになる。やはり、マトモな技の応酬では飯田に分がある。辻は2度目のダウンを喫す
ることになる。
(いける、左腕なしでも負ける相手じゃない。)
飯田は深呼吸をし落ち着きを取り戻す。
(いや、油断は禁物よ。全力をもって叩き伏せる!)

104 :辻っ子のお豆さん:02/03/24 19:48 ID:H562+aN7
「まらまら!」
ダウンした辻だが、まるでダメージがないかのようにすぐに跳ね起きた。
「タフだな。いいよ、何度でも倒す!」
「こんろはののらたおす!」
 二人は再びまっ正面から激突した。互いの手足が何度も交差する。手数は圧倒的に飯田
が辻を上回っていた。しかし一撃の重みは辻のそれが飯田を上回っている。辻の打撃を受
けるたび、全身に振動が伝わる。
(重過ぎるって!)
 だが、痛いのは自分だけではないはず。向こうは自分の何倍もの攻撃をまともに受けて
るんだと思うと、落ち着きを取り戻したはずの飯田の感情が再び沸騰してゆく。
(負けてられねえっつうの!)
距離を置いて技での闘いに持ち込めば、おそらくこの勝負、飯田が難なく勝利したであろ
う。だが飯田はそれをしなかった。
(これだけ正面からぶつかってくる相手に逃げ腰じゃ武神の名が泣くよ)
 細かい駆け引きなしの、どつきあいに付き合うことにした。いや、そうしたいと欲求す
る体を止める事ができなかったのだ。この辻希美というとんでもない力を秘めた娘に、TAP
会館館長という肩書きではなく、飯田圭織個人としての自分の全てをぶつけてみたい。そ
して勝ちたい。その想いはもう止められなかった。

105 :辻っ子のお豆さん:02/03/24 19:49 ID:H562+aN7
 辻希美は意識が朦朧としてきた。平気な振りをしていただけである。武神のあれだけの
攻撃を受けて五体満足で済むはずがない。本当は今すぐにでも泣き出したいくらいだった。
だけどそうしないのは負けたくないから、絶対に勝ちたいから、約束があるからである。
(いいらさんはやっぱりつよいよ。)
体に残る全ての力を振り絞って、辻希美はさらに前へと突進をした。
(れも負けない、ののはいいらさんにかちたいんれす!)
どちらも一歩も引こうとしない。もはや意地と意地のぶつかり合いだ。会場中が息を飲ん
で、その激闘を見守っていた。
「組み手になってるよ。」
 安倍は思わず笑みがこぼれそうになった。数ヶ月前まで格闘技は素人同然だった少女が
今、目の前で格闘技界の頂点に立つ武神と互角に殴り合っているのだ。それが滑稽でなく
てなんだろう。
「いけ!のの!倒せ!」
 いつしか安倍は純粋な気持ちで辻を応援していた。そしてこの前からモヤモヤしていた
自分の気持ちに気付き始めていた。
(辻希美と闘いたい)
 弟子と師としてではなく、一人の格闘士として。彼女の無限に広がる可能性に惹かれ始
めていたのだった。

106 :辻っ子のお豆さん:02/03/24 19:50 ID:H562+aN7
自分の体に相手の一撃が入るたびに激しい激痛が伴う。
いや、今やその感覚すらも麻痺してわからなくなっている。
苦しい。つらい。逃げ出したい。
だけど、どうしてだろう?こんなに楽しいのは?
(楽しい?)
そんな感覚はもう何年も前に失ったはずだ。闘いが楽しいなんて思ったことはない。
でもわからなくなって来ている。自分が。体が燃え上がる。
辻希美。
お前はすごいよ。
私にこんな感情を思い出させてくれたのはお前だ。
感謝する。
だからお前を倒す。
私は今どんな顔をしているんだろう?
きっと笑ってるのかな。
辻、お前泣きそうな顔してるよ。
笑えよ、お前も。
楽しいだろ、こんな最高の気分なんてないよ。
泣いてる場合じゃないぜ。
「ねえ、笑って。」

107 :辻っ子のお豆さん:02/03/24 19:51 ID:H562+aN7
『飯田圭織ダウーーーーーン!!!』
 会場中の興奮がピークに達する。満身創痍の状態で最後まで立っていたのは辻希美の方
であった。崩れ落ちピクリとも動かない飯田圭織を見て、駆け寄った審判員の一人が腕を
大きく横に振る。
『勝負ありーーーー!!勝者辻希美!!』
武神敗れる!この予想外の逆転劇を観客達は大きな拍手と歓声で賛辞した。
(のの、かったのれすか?)
 肩で息をする辻も意識が朦朧としていて、しばらく状況をつかめずにいた。気が付くと
飯田が横になっていたのだ。自分がどうやって彼女を倒したのかすら思い出せずにいた。
ただ、最後に飯田の声が聞こえた気がした。それだけはなんとなく覚えている。
(ねえ、笑って)
 うつ伏せに倒れ込んだ飯田の表情を覗き込むと、そこには笑みが浮かんでいた。彼女は
意識を失う最後の瞬間まで楽しんでいたのだ。それを見た辻は、ようやく心からの笑みを
浮かべた。
「勝っらーーーー!!」

1回戦第1試合 勝者 辻希美


108 : :02/03/24 22:18 ID:DfB7vCl0
やはり優勝は辻か?(もしくは準優勝)

109 :名無し募集中。。。:02/03/24 22:40 ID:WYYK0THA
辻豆氏の文章、どんどん上手くなってるような気がする

110 : :02/03/24 22:51 ID:N+myAnX1
優勝者予想の書き込みはほどほどにしてほしい・・・

111 :名無し募集中。。:02/03/24 22:55 ID:bekYxt1u
やっぱり「ねえ、笑って」は名言だー。

112 :名無し:02/03/24 23:32 ID:nB7PHtuw
>>110
ここを辻豆さん小説のファンスレにするというのはどう?

推理小説「卒業旅行」
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1013269323/
辻と加藤
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1009261850/


113 :83:02/03/25 01:10 ID:96qv5FyK
>>110
俺が最初にあおってしまったようだ。
この小説への先への興味と興奮からくるものだったんだけど…
ごめんなさいm(_ _)m反省。

114 : :02/03/25 01:31 ID:noKM9QSy
静かに更新待ち

115 :辻っ子のお豆さん:02/03/25 01:48 ID:fXpaaCuH
(あーあ、かっこ悪い泥試合)
(私だったらもっとスマートに決めるのに)
(でも館長が負けるなんて、ちょっと意外だったな。)
(まあ、どっちでもいいや)
 控え室モニターでこの試合を観戦していた石川梨華は、まるで他人事の様にあっけらか
んと心の中で感想を述べた。彼女は基本的に優勝とか地上最強なんてのにはあまり興味を
持っていない。TAP会館に入門したのもほんの些細なきっかけが原因である。ネガティブ
で何の取り得もない自分を変えたいと思っただけである。たまたま通りかかった場所に
TAP会館入門者募集の紙が貼ってあったのだ。だから自分の中に眠る格闘技の才能に気付
いたのは本当に偶然であった。そして、同じく天才と呼ばれ輝いている娘の存在を知る事
になるのも。それが後藤真希であった。いつしか石川は後藤との対戦を望む様になった。
彼女に勝つ事で、本当に自分が変われた証になる、そんな気がしていたのだ。
(1,2・・2回勝てば後藤さんと当るのか)
 だからそれ以外の娘は眼中になかった。よって今の飯田と辻の勝敗など、石川にとって
はどうでもいいことだったのだ。それどころか、これから自分が対戦する相手の事すら石
川は気にしていなかった。
コンコン。
ノックの音がしたので、どうぞと声を掛けると見覚えのない少女が現れた。
「どちらさまですか?」

116 :辻っ子のお豆さん:02/03/25 01:49 ID:fXpaaCuH
「新垣里沙です。石川さん、今日はよろしくお願いします。」
「えーと、あ!ああ、新垣さん。」
 全然記憶にない名前だったが、どうやら彼女の話し振りから対戦相手なのかなと石川は
悟り、とりあえず話を合わせようと相づちをうった。すると新垣はもっていたリュックか
らスポーツドリンクらしき物を取り出した。
「これお近付きの印です、飲んで下さい。」
「ああどうも、ありがとうございます。」
怪しさ100%だったが、ヒトの良い石川は疑うことなくそれを受け取った。
「試合前に飲むと効果抜群ですよ。」
勧められると断れない性格で、石川は言われるがままそのドリンクを飲み干した。
「プハー。」
(なんか変な味。)
「あれ、いない…」
飲み終えて、気が付くといつの間にか新垣の姿はなくなっていた。
廊下の角で新垣は笑いをこらえるのに必死だった。
(飲みやがったよ、あの馬鹿!ウヒャヒャヒャヒャ!)
(ニイニイ特製下剤満点ジュース!)
「これであいつはもう試合どころじゃねえな。」
勝利を確信した新垣は、鼻歌まじりで闘技場へと足を運んだ。

117 :辻っ子のお豆さん:02/03/25 01:49 ID:fXpaaCuH
 闘技場内はまだ先ほどの闘いの余韻に揺れていた。一番最初からとんでもない名勝負が
繰り広げられたのだからしょうがない。敗北した飯田は意識も戻らず結局担架によって医
務室へ運ばれていった。勝者である辻にしても駆け寄ってきた安倍の肩を借りて歩くのが
やっとという状態であった。それほどまでに過酷な戦いであったのだ。観客は未だその熱
戦に付いて口々に感想を述べている。主催者のつんくも興奮気味に中澤に対しておしゃべ
りを続けていた。
「辻希美かぁ〜えらい奴がでてきたもんやなぁ〜!」
「そうですね。」
「まさかあの武神をやぶるとは思わなんだで。」
「そうですね。」
「なあなあ中澤、次の試合はどっちが勝つと思う?」
「そうですね。」
「…」
「…」
「お前、聞いてへんやろ。」
「はい?」
闘技場整備が終り、すぐさま次の闘いが始まる。
1回戦第2試合 石川梨華vs新垣里沙

118 :SHIIMA:02/03/25 02:54 ID:6YHArd/E
おっ、辻豆さん新しいの書いてたんですね。
ということは「卒業旅行」は放置ですか・・・
気が向いたらあっちも再開してくれると嬉しいです。

119 :ナーナー氏:02/03/25 02:59 ID:OBn3rwwS
俺、格闘技だいすっきだからこの小説すんごい楽しみ。
とりあえずプロレス好きだから小川に期待。
桜庭みたいな娘。が居たらもっと期待したんだけど小川じゃーねー。


120 :SHIIMA:02/03/25 03:14 ID:6YHArd/E
>>31が言ってるスラムダンクが元ネタの小説って何のことですか?

121 : :02/03/25 04:23 ID:FFYZo+3o
>>120
こっちを参照のこと。
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1013269323/

122 :名無し募集中。。。:02/03/25 07:53 ID:E6ewOg0I
>>121
意味わかんね

123 :辻っ子のお豆さん:02/03/25 15:30 ID:uat9GcqM
(おかしいな)
 そう思い、新垣は首をちょこんと傾けた。あの下剤は即効性で、本当なら今頃トイレに
篭もりっきりで立つことすら困難なはずである。ところが石川は普通の顔してその場に入
場してきた。
(やせがまんしているのかしら)
(可哀想に、大勢の前で醜い姿を晒すことになるわよ。フフフ)
『両者、前へ!』
 マイクアナウンスの合図と共に、円形の闘技場中央に二人は歩み寄る。ニヤニヤと笑み
を浮かべながら新垣は石川に声を掛けた。
「御気分はいかが?」
「やっぱり何か変な物入ってたのね。卑怯者!」
「うるせえよ。汚い物をぶちまける前にとっとと降参しな。」
 新垣は先ほど見せていた作り笑顔から、卑屈な笑みへと表情を変えていた。言葉使いも
同様である。もはや演技する必要もないのだ。
「…ぃよ。」
「アン、何だって?聞こえねえな。」
「私、しないよ。」
そして石川の表情にもある変化が起きていた。

124 :辻っ子のお豆さん:02/03/25 15:31 ID:uat9GcqM
 飯田圭織は医務室のベットの上で目を覚ました。最初はそこがどこなのか、どうして自
分がこんな所にいるのか思い出せずにいた。だが隣のベットで眠りこけている少女の顔を
見て、飯田の脳にあのときの映像がフラッシュバックしてきた。
(そうだ、圭織負けちゃったんだ)
当然くやしい気持ちはあった。だがそれ以上になぜか満足している。
「矢口さ〜ん、館長眼ぇ覚ましたみたいやでぇ。」
「加護!怪我人のいる所であんまりでかい声出すなよ!」
 そう言う矢口の声の方が騒がしく聞こえた。飯田がゆっくり体を起こすとそこに矢口と
加護の姿があった。二人ともなんだか気まずそうにしている。
「館長、ええ試合やったで。うち感動したわ。」
「負けちゃったけど、圭織の分もおいらががんばるからさ。元気だしなよ。」
二人の精一杯の励ましがなんだかほんとに胸に染みた。
「うん、圭織は大丈夫。むしろいつもより気分がいいくらいよ。」
「え?」
「だって楽しかったもん。」
飯田は心からの笑みを浮かべて、隣で眠る少女を見やった。

125 :辻っ子のお豆さん :02/03/25 15:32 ID:uat9GcqM
「そういえば石川は?」
彼女の姿が見えないことに気付いた飯田は、その場にいた矢口に声を掛けた。
「ああ、石川なら今頃試合だよ。たしか相手は・・え〜と。」
「そっかそっか、まああいつなら心配ないだろ。」
「そう?」
「私より賢い。」
「だね、圭織みたいに馬鹿などつきあいに応じたりしないし。」
「言ったな!あんたはどうなのさ!」
「おいらはむしろそっちが専門だからよー。」
 相手が、どつきあいのメッカ、地下闘技場王者グラップラー真里であることを忘れてい
た。飯田はこの矢口と数年前に一度拳を交えたことがある。その時は共に傷つき引き分け
という結果に終った。だが今ではもう及ばないかもしれないと、飯田は感じていた。館長
という地位につき実戦から遠のいていた自分に対して、彼女は今も現役で幾多の闘いに身
を置いている。その差はやはり大きいであろう。そしてその矢口の他にもう一人、飯田が
勝てないかもしれないと思う娘がいた。それが石川梨華である。
(今ごろ、会場中が度肝を抜かれてるだろうな)

126 :辻っ子のお豆さん:02/03/25 15:32 ID:uat9GcqM
一体今何があった!?
 開始のゴングが鳴り終わるやいなや、新垣の小さな体が闘技場の端まで吹き飛んでいた
のだ。そのあまりの速さに新垣はおろか観客、審判員、その他誰にも何が起こったのか理
解できる者はいなかった。
「ふざけんじゃねえぞ、私はムエタイチャンプの新垣だ。この程度でやられる訳…」
だが起き上がった新垣の視界に石川の姿はない。
「後ろ。」
再び新垣の体を閃光が走る。そのあまりのスピードに新垣は手も足も出ずにいた。
(そんな馬鹿な!こんなはずは!どうして!)
「とどめ。」
石川は胸の前に置いた両手を、敵に目掛けて凄い勢いで前方へ広げ伸ばした。
「ハッピー!!」
これがチャーミー流拳法、第一奥義「ハッピー」である。俗に言う通背拳だ。
まともに受けた新垣は闘技場を越え、観客席まで吹き飛ばされていた。
「どうして・・下剤は・・?」
それが最後の言葉。そこで新垣は意識を失った。
「最初に言ったでしょ、私はしないの。」
『勝負ありーーー!!勝者!石川梨華!!!』
試合終了の合図と共に、般若の様な表情を浮かべていた石川の顔に可愛らしい笑みが戻る。
「以上、チャーミー石川でしたー♪」

127 : :02/03/25 16:20 ID:neTg7qvD
やっぱり辻豆さんの手にかかればにぃにぃは卑怯者になってしまうのね・・・。

128 : :02/03/25 22:01 ID:oJd29lRd
にいにいだってがんがっている

129 : :02/03/25 23:29 ID:FRaHcIw0
>119
やっぱり小川はSTO使うのかな・・・

130 :名無し募集中。。。:02/03/25 23:45 ID:M23Tq8x4
辻豆さん最高っす
個人的にはよすぃこに期待


131 :119:02/03/25 23:47 ID:OBn3rwwS
>>129
いや、ヘタレだから逃げるんじゃねーの。


132 :名無し募集中。。。:02/03/26 00:31 ID:pD46n908
かわいそうな豆っち。君の書くのはすべて
「読者が展開を予想しカキコする」ものになってしまってんのね。
そんなつもりないのにね(多分)。まあ、今度はくじけんなや。

133 : :02/03/26 00:34 ID:aTUt69ho
静かに更新待ち

134 :激戦のBブロックへ:02/03/26 01:20 ID:5ZlasE7O
飯田┓           ┏高橋
   ┣┓        ┏┫
辻  ┛┃        ┃┗保田
     ┣┓     ┏┫
石川┓┃┃     ┃┃┏吉澤
   ┣┛┃     ┃┗┫
新垣┛  ┃     ┃  ┗紺野
      ┣━━━┫
後藤┓  ┃     ┃  ┏福田
   ┣┓┃     ┃┏┫
市井┛┃┃     ┃┃┗加護
     ┣┛     ┗┫
小川┓┃        ┃┏矢口
   ┣┛        ┗┫
安倍┛           ┗松浦


135 :辻っ子のお豆さん:02/03/26 01:21 ID:5ZlasE7O
1回戦第2試合 勝者 石川梨華

 花道を抜け退場した石川は、人気のない廊下にて会いたかった人物の姿を見つけ、笑顔
で小さく手を振った。
「よっすぃー!」
「かっけかったよ。梨華ちゃん。」
「ピースピース。」
 大好きな友人に誉められて石川はとてもハッピーだった。しかしその幸せも束の間、吉
澤はもうその場を去ろうとしている。
「じゃあ、また後でね。」
「え、もう行っちゃうの?」
「誰かに見られたらまずいだろ。それに次は・・」
「あ、そっか、後藤さんの…」
 同じプッチの所属でパートナーでもある吉澤が、後藤の激励に行かない訳にはいかない。
それは石川も理解していた。だから無理に引き止めるのは辞めた。
(ごっちん、大丈夫かな?)
 トーナメントの組み合わせが決まってから、どうも後藤の様子がおかしいのだ。自分の
控え室に篭もりっきりで出ようとしない。だから吉澤は余計に心配になっていた。

136 :辻っ子のお豆さん:02/03/26 01:22 ID:5ZlasE7O
「ごっちん、出番だよー!」
 吉澤はわざと大声で呼びかけながら控え室の扉を開けた。しかしそこで意外な光景を目
にし、思わず息を飲んでしまった。後藤が毛布にうずくまってふさぎ込んでいるのだ。
「何やってんの?もう試合の時間だって!」
 だが後藤はこちらを振り向こうともしない、ただ時折ため息をのぞかせるばかりである。
その後ろ姿には王者としての貫禄も誇りも感じ取れない。訳も分からず苛立ってきた吉澤
は強引に後藤の肩に掴み掛かった。
「ごっちんってば!ほら行くぞ!」
「…行かない。」
吉澤は一瞬自分の耳を疑った。
「今、何て言った?」
「辞退する、私。」
「ハァ?こんな時に冗談言わないでよ。」
「冗談なんかじゃないよ!」
後藤の眼にうっすら涙が溜まっていた。悔しそうに下唇を噛み締めている。
「どうして?理由は?」
「…勝てないから。」
「え?」
「いちーちゃんには勝てないんだもん!」

137 :辻っ子のお豆さん:02/03/26 01:23 ID:5ZlasE7O
「久しぶりじゃのう、紗耶香。」
「オーッス!圭婆!元気してた?」
その頃、市井紗耶香の元にはプッチ総帥の保田圭が訪れていた。二人は古くからの馴染み
で共にプッチを盛り上げていった過去を持つ。
「しかし1回戦からお前等が闘り合う事になるとはのぅ。」
「なんかねー、くじ運悪いんだよねー。」
 さらに市井は、後藤の師という過去も持ち合わせていた。彼女をあそこまでに育て上げ
たのは、ほとんどが市井の手腕のおかげといっても過言ではない。
「私もやりたくないけど、後藤はもっと嫌かもしんないな。」
「フム。」
「でもいいの圭ちゃん?私より後藤についててあげなくって。」
「真希にはもう吉澤っちゅうパートーナーがおる。あやつに任せておけば良い。」
「そっか、後藤にも同年代の友達ができたんだ。良かった。」
市井はまるで自分の事の様に喜んだ。
「昔の後藤はどこか、人を寄せ付けない様な所あったからさ。いやー良かった良かった。」
「フォッフォッフォッ、お前らしいよ。紗耶香。」
「うん、これで心おきなく思いっきり闘れる!おーし出陣!」
拳を叩き合わせ、市井紗耶香は激闘の地へと足を踏み出した。

138 :辻っ子のお豆さん:02/03/26 01:25 ID:5ZlasE7O
>>132
むしろ予想して楽しんでほしい

139 :名無し募集中。。。:02/03/26 02:53 ID:hzKBL/EG
>> 辻っ子のお豆さん
夜遅くまでご苦労様です。

140 :129:02/03/26 03:09 ID:HODBHWVa
>>138
ありがとー♪
市井と後藤の対決面白そう!
これからも皆を楽しませてくだされ。

141 :ねぇ、名乗って:02/03/26 10:03 ID:WyDPsFsg
作者の気持ちの代弁をしたつもりになって一人悦に入ってた>>132
あいたたた

142 : :02/03/26 12:20 ID:gQ5THtEM
なんだ。てっきり俺は後藤が師匠を打ち破るもんだと思ってた。

143 :加藤ティ〜:02/03/26 12:54 ID:KcVRxDkD
バキでいうと渋川が保田ね。
飯田は独歩っていうよりは「餓狼伝」の松尾象山っぽいとオモタ。

144 : :02/03/26 14:19 ID:cLNwhi0Z
辻=花山、飯田=独歩、石川=克巳、新垣=シットパイカー、
後藤=紅葉、市井=マイク、小川=猪狩、安倍=刃牙、
高橋=天内、保田=渋川、吉澤=昂昇、紺野=加藤、
福田=本部、加護=ズール、矢口=烈海王、松浦=ジャック、
石黒=夜叉猿、中沢=斗場
うーん、ちと苦しいか

145 :132:02/03/26 15:13 ID:yQ0pyv61
>>141残念、はずれ。

スレ立ててまで始めた前作をあの程度の煽りと自分のミスのせいで
途中で投げ出した豆っちに対する軽い皮肉だったんだけどね。
伝わりづらかったみたいだ。反省しよう。

146 : :02/03/26 15:15 ID:S1XKmouo
トーナメント終わったら最凶死刑囚出て来ちゃったり?

147 : :02/03/26 18:44 ID:a6IvPnDc
つーかトリップつけなよ、いい加減に!>辻豆

148 : :02/03/26 23:55 ID:t71FBub1
>>144
最初の3人と小川のモデルはバレバレでしょ。
あとはその予想はやっぱり苦しいかな。バキを誰に置くかで違ってくるし。
中澤が天内になるんじゃないのか?
どこで出すかはかなり難しいけどね。
意外と辻

149 :名無し募集中。。。:02/03/26 23:57 ID:zlm+d8lY
地上最強の生物もいるのかな?

150 :辻っ子のお豆さん:02/03/27 00:14 ID:NadcQE1i
報告があります。
この春から社会人になるため、今までの様な連日の更新はできなくなりそうです。
また、引越しや研修で当分PCはできません。
多分早くても4月中旬頃まで。
でも絶対に続きは書きたいと思っているので、
よろしければそれまで保全(感想)よろしくお願いします。

151 :名無し募集中。。。:02/03/27 00:15 ID:R7IaX5Re
いつのまにか新作が!!
それも格闘物、バキ好きに取ってはたまらん!
是非保田入場アナウンスで「達人は保護されている!」ってやってくれ〜

152 :名無し募集中。。。:02/03/27 00:18 ID:+jdPigu+
>>150
ほぉ、辻豆サン社会人デビューですか・・・仕事の方がむばって!

153 :名無し募集中。。。 :02/03/27 02:14 ID:LMf4z6QO
この小説読んでそういえば、昔赤板に餓狼伝と刃牙を合わせたような
小説があったのを思い出しました。

154 :名無し:02/03/27 08:41 ID:pVgNmgfR
初めて辻豆さんをみた時(娘切草あたり)
学生さんかなと思っていたがどうやら的中か?

155 :名無し募集中。。。:02/03/27 09:44 ID:uwnnTV52
厨房を小1時間問い詰めたい。

156 :名無し募集中。。。:02/03/27 21:03 ID:+LqM7nks
12時間保全。

157 :名無し募集中。。。:02/03/28 12:21 ID:OGRHemEH
15時間保全。

158 :名無し募集中。。。 :02/03/28 13:04 ID:wDqf3GiG
>>149
それが気になるんだよなあ。
矢口がグラップラーだから、中澤が、かなあとか思ったけど。

159 : :02/03/28 21:22 ID:tKHiSaB+
>158
そうそう。
俺も最初は149の求めてる奴が中澤だと思ってたけどね。
リザーバー(つんくの秘書)として出ちゃったから、それはなくなったと思う。

160 : :02/03/29 11:11 ID:2rDFdNqi
保全

161 :辻っ子のお豆さん:02/03/29 18:01 ID:DMDh9oRv
1回戦第3試合 後藤真希vs市井紗耶香

「まだかー!」
「何やってるんだー!」
「後藤出てこーい!」
痺れを切らした観客達のざわめきが場内を包む.すでに市井が闘技場に姿を現してから
10分近く経っている.だが対戦相手の後藤真希が一向に姿を見せないのだ.これでは試合
どころではない.この予想外の事態に主催者であるつんくも頭を悩ませていた.後藤が試
合放棄で市井の不戦勝としても、観客も誰も納得はしないだろう.当然つんく自信もそん
な結果は望んではいない.なんといっても後藤真希は現モームス王者なのだ、彼女抜きで
はこの大会の意味すらなくなると言っても過言ではない.だが、事実現れないのではどう
しようもない.つんくは不本意ながら隣に座る中澤祐子に指示を出した.
「中澤、一応準備しといてくれ.後藤の代わり、頼むことになるかもしれへん.」
「・・わかりました.」
中澤にも不満はあったが、文句一つもらさず静かに立ち上がった.
 一方、市井は黙々と準備運動を続け体を温めている.彼女は信じているのだ、あいつは
絶対に来ると.
(真希、お前は逃げたりする様な奴じゃないよな.)

162 :辻っ子のお豆さん:02/03/29 18:02 ID:DMDh9oRv
吉澤はもう2年近くも後藤真希と共にいる.プッチでもプライベートでもよく遊ぶ程中
が良い.だけどこんな後藤を見るのは初めてだった.目の前で人目も憚らず、悔し涙を流
している.弱音を吐いている.あの後藤真希が・・
「ごっちん.」
「いちーちゃんには一回も勝ったことないから.」
 後藤の師と呼ばれる市井は、吉澤がプッチに入団してすぐに退団してしまったので、吉
澤はその実力をあまり知る機会がなかった.市井と後藤にどんな関係があったのかも別に
興味はなかったし、あえて聞こうともしなかった.
「だから、勝てないから棄権する.」
ただ、その後藤の言葉が吉澤の魂に火を付けた.気が付いたら右コブシが後藤の頬を思
いっきり打ち抜いていたのだ.もう高ぶる感情を抑えきることができなかった.突然に不
意打ちに後藤は無防備のまま部屋の隅に転げ落ちた.
「ふざけるな!勝てないから闘わないだって!何だよそれ!」
「・・・」
「いつからそんな弱くなったんだよ!勝てない奴を倒す為に毎日がんばってんじゃん!」
(あんたを・・)
「みんなそうだ!TAPの奴らも!安倍なつみも!みんなごっちんを倒すために・・!」
(誰より・・私が)
吉澤の痛烈な言葉の一つ一つが後藤の胸を揺さぶる.

163 :辻っ子のお豆さん:02/03/29 18:03 ID:DMDh9oRv
「なのに、そんなこと、ごっちんの口から聞きたくなかったよ.」
吉澤は口調を弱め、軽く項垂れた.
「でも私、どうすればいいのかわかんないの!」
いてもたってもいられなくなった後藤は、叫びながらその場を飛び出した.だが吉澤に
はもうそれを追いかけることはできなかった.自分の言いたいことは全部伝えた、あとは
ごっちん本人次第だ.そう思い、吉澤は闘技場にて彼女を待つことにした.
後藤は自分がどこへ向かっているのか、自分がどうしたいのかわからなかった.
「いちーちゃん、よっすぃー、私どうすればいいの?」
誰もいない廊下で、壁に額をついて自分自身に問いかける.
「そんなことで悩んでたの?」
突然、すぐそばで声がした.後藤はあわてて顔をあげる.そこにいたのは
「なっち・・」
「勝てばいいべさ.」
前進に亀裂が入った様な感じだ.安倍の一言が後藤の中にうずまいてたモヤモヤを取り
払った.そして思い出した.自分が決着を付けなければならない相手がいること.その為
には、こんな所で止まっている暇はないってこと.
「ほら、急がないと不戦敗になるぞ.」
「ありがと、先に行って待ってる.」
後藤は軽く頭を下げて走り出した.その眼にはもう迷いはない.

164 :辻っ子のお豆さん:02/03/29 18:04 ID:DMDh9oRv
「遅れてごめんなさい!」
そうやって後藤が勢いよく闘技場へ駆け込んでくると、それまで文句を垂れていた観客
達は手のひら返した様に一斉に喜びの声をあげた.
『現役モームスチャンピオン後藤真希の入場だーーー!!』
主催者つんくが後藤に問う.
「なにしてた?」
「んあ〜寝てました.」
恥ずかしそうに口を開けると、みな一斉に笑い出した.
「後藤らしい.」
待たされたことに怒る気配もなく市井も笑う.
(よくいうよ)
唯一人、真実を知る吉澤もやれやれと笑い飛ばした.そんあ吉澤の姿を見つけた後藤は
笑顔でピースマークを作った.
(よっすぃーありがと、あのパンチ効いたよ)
そして後藤は向き直る.越えるべきあの人の方へ.
「ごめんね、いちーちゃん.はじめよっか.」
それに市井もコブシを突きだし応じる.
「こっちはいつでもOKだ.」
予定より遅れること20分、いよいよ二人の闘いが始まる.

165 :辻っ子のお豆さん:02/03/29 18:08 ID:DMDh9oRv
禁断症状が出て我慢できず知人のPCより更新
この調子で4月からやっていけるか心配だ.

166 : :02/03/29 21:48 ID:PgCDrLCA
>165
いえいえ、俺らは読めて嬉しいですよ。
やっぱりこの小説はマジでいいすね。
仕事に差し障りない程度に、ヒマがあったら続きを書いて下さ〜いm(_ _)m

167 :ねぇ、名乗って:02/03/30 15:58 ID:2Go0zBAP
タイプミスそのままってとこに勢いを感じる(w


168 :ねぇ、名乗って :02/03/31 13:59 ID:ExMK9d79
わーい。更新されてる!!
すっごいうれしいです。。。
でも無理しないで下さいねー

169 :名無し募集中。。。:02/04/01 12:11 ID:0RErsX5e
辻豆新社会人記念 保全

170 :名無し募集中。。。:02/04/02 00:28 ID:vA49w6fG
age

171 :名無し募集中。。。:02/04/02 12:05 ID:56AuwyeU
保全

172 : :02/04/02 23:22 ID:rWkMdghD
<font color="hotpink" face="symbol">ゥ</font>

173 :名無し募集中。。。:02/04/03 12:07 ID:oKbliSIp
保全

174 :名無し募集中。。。:02/04/04 18:51 ID:nO5hoDPY
hozen

175 : :02/04/05 01:31 ID:SBn3AQJr
hozen

176 :名無し募集中。。。:02/04/05 13:06 ID:tWDfftf8
保全

177 :無題:02/04/05 17:10 ID:f6Ml2UNv
age

178 : :02/04/05 17:11 ID:Hieez1Kl
>>177
あげんな クサレアホ

179 : :02/04/06 20:04 ID:KwjB6ySA
保全中。。。

180 :名無し:02/04/07 11:58 ID:4WFp220m
ageときますね

181 : :02/04/07 17:56 ID:Bm+G9cNX
>>180
なんであげるの?みんなsage進行でやってんじゃんよ。


182 :名無し募集中。。。:02/04/08 12:22 ID:bsR8rDuR
保全

183 :名無し募集中。。。:02/04/08 22:27 ID:WfjMeo8j
保全sage

184 :名無し募集中。。。:02/04/09 12:29 ID:i2k/8ozR
保全


185 :名古屋市民:02/04/09 17:40 ID:SKV1hUX1
保全

186 :名無し募集中。。。 :02/04/09 18:22 ID:hT8/KuRI
sage


187 :名無し募集中。。。:02/04/10 06:46 ID:dSfRaRmN
保全とsageとageんなだけで1000を目指すスレ

188 :名無し募集中。。。:02/04/10 19:19 ID:HASqiMBf
保全

189 :名無し募集中。。。:02/04/11 00:35 ID:ahkGfWll
みんな保全しすぎだと思う。
今の羊なら2日に1回保全すれば十分では?

190 :名無し募集中。。。:02/04/11 01:56 ID:Wz1C9+SF
 

191 :名無し募集中。。。:02/04/11 04:49 ID:XqQvBHBn
保全

192 :名無し募集中。。。:02/04/11 10:35 ID:feXToMp7
保全

193 :名無し:02/04/11 21:26 ID:3k4RGV5i
hozen

194 :名無し募集中。。。:02/04/12 01:43 ID:IZ1SI5BJ
保全





195 :名無し募集中。。。:02/04/12 12:21 ID:opg2YYJN
保全

196 :名無し募集中。。。:02/04/12 18:17 ID:Kg8FSSL0
保全

197 :名無し募集中。。。:02/04/13 08:01 ID:MmsBVt+v
12時間以上経過したので保全、次回は午後8時以降にお願いします。

198 :名無し募集中。。。:02/04/13 12:43 ID:/ElGnXCr
>>197
分かりました。

199 :名無し募集中。。。:02/04/13 12:46 ID:tS1ICYMa
>>197
そうだね。気を付けます。

200 :記念カキコ:02/04/13 16:31 ID:PztIpIog

       @ノノヽヽヽ@ ミ _ ドスッ
       ( 0^〜^)─┴┴─┐
       /   つ.  2 0 0 │
      /_____|└─┬┬─┘
        ∪ ∪    ││ _ε3

201 : :02/04/13 19:55 ID:ea0mLaF5
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                 | |      g
                 | | ワ  ッ     e  る
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              +     ヽ  ( ノ(つ  丿(. ´∀`)  // +
                   (_)し' ( ヽノ  (つ  つ ))       +
           | |   ワ ッ       し(_) + ) ) )
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      + (( /■\ ∩/■\ .)/■\!!//
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